コカ・コーラとサントリーが「ボトルtoボトル」水平リサイクルの啓発で協業、浦和レッズと鹿島アントラーズのサッカースタジアムで分別啓発イベント開催へ
コカ・コーラは6月30日、浦和レッズVSジュビロ磐田の試合が行われる埼玉スタジアム2002(埼玉県さいたま市)で実施する。飲み終わったペットボトルを持参すると、「ボトルtoボトル」を楽しく学べる、オリジナルのゲームを体験できる。体験者には100%リサイクルPETの「コカ・コーラ」500mlを1本プレゼントする。
サントリー食品は7月6日、鹿島アントラーズVS北海道コンサドーレ札幌の試合が行われる県立カシマサッカースタジアム(茨城県鹿嶋市)で実施する。飲み終わったペットボトルを持参し、“ペットボトルポスト”に分別して投函した人に、全数100%リサイクルペットボトル使用の「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」600mlを1本プレゼントする。
2社はこれまでもそれぞれで「ボトルtoボトル」水平リサイクルを推進してきた。だが、さらなる「ボトルtoボトル」比率の向上のためには、「ペットボトルは資源」であるという認知の向上と、消費者をはじめとした関係する人々の理解、リサイクルに向けたペットボトル分別の協力が不可欠との認識で一致し、2023年から啓発コミュニケーションで協業を開始した。 今後も各社の製品において、リサイクルPET樹脂の使用を推進するとともに、さまざまなコミュニケーション活動を通じて、「ボトルtoボトル」水平リサイクル、そして「家庭外でのペットボトル分別」の普及・定着を図っていく考えだ。
〈ペットボトルの再資源化の仕組みが整う日本は適切に回収すれば循環利用が可能〉
今回の2社の協業の背景には、日本国内で再資源化の仕組みが整っているペットボトルは、適切に回収すれば資源として何度も循環利用が可能で、ペットボトルに再生することで新規資源の使用削減と容器由来の廃棄物削減に貢献できるためだという。 また、CO2排出量の面でも、現時点での主なリサイクル手法であるメカニカルリサイクルによるPET樹脂のみを使用した「100%リサイクルペットボトル」は、新規に石油由来原料(化石由来原料)を使用して製造したペットボトルと比較して約60%削減できるとしている。 なお、日本国内におけるペットボトルの回収率は94.4%で、リサイクル率は86.9%(2022年度、PETボトルリサイクル推進協議会調べ)。これは、米国(リサイクル率18.0%。2020年度)や欧州(同42.7%。2021年度)と比較して非常に高い水準にある。 一方で、回収されたペットボトルが再び新しいペットボトルにリサイクルされる「ボトルtoボトル」比率は年々高まり、29.0%(2022年度)まで増えている。業界団体の全国清涼飲料連合会は2021年に、業界として2030年までに「ボトルtoボトル」比率50%を目指すと宣言しており、日本コカ・コーラとサントリーが業界を牽引する状況になっている。
食品産業新聞社
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