運動科学者もみずから実践! 身体のパフォーマンスを最高に高める最も手軽な方法
擦って正確無比へと導く
正確無比な身体使いを目指すうえで、最も手軽な方法は「擦る」(さする)ことです。主働筋を擦ることで筋肉を脱力させ、ゆるませるとともに、自分の心身に「ここが主働筋である」と教え込むわけです。 たとえば、歩いたり走ったりする場合の主働筋はハムストリングスと大臀筋の裏転子部分です。それらの筋肉を正確に使うためには、まず「気持ちよく、気持ちよく」と言いながら裏転子を擦って、よくゆるませてやりましょう。 さらに、手のひらでバシバシ叩いてみてください。「ここだよ、ここだよ」「頼むよ、頼むよ」と言いながら、お願いする気持ちで叩いてください。これによって緩解脱力が進み、主働筋の力みがとれていきます。 「力み」という言葉が出てきましたが、最新刊『レフ筋トレ 最高に動ける体をつくる』では、筋肉の力みをとり除く「力みカット」に触れました。 この「力みカット」については別の機会に紹介しますが、このように筋トレを「レフ化」するメソッドは、それぞれが関わり合い、重なり合っているものだということだけは、覚えておいてください。 この「擦る」「叩く」ということだけでも始めてみましょう。きっとあなたの身体に、ポジティブな変化が起こると思います。 記事後編『体幹がパワーアップし四肢の動きも滑らかに……レフ筋トレ「長座腕支体幹三段回法」で背面を鍛える』へ続きます。
高岡 英夫