入間向陽、苦しみながらも熊谷工を下し代表決定戦へ
木村康弘はなかなか点の入らないジリジリした展開が続くと、1年前の試合が頭をよぎったそうだ。昨夏の1次予選は初戦の2回戦で蕨に延長の末、0-1で敗れている。「主導権を握っていたのですが、カウンターから失点してしまった」と昨夏の情景を思い出していたのだ。 しかし持ち味だというサイドアタックから奪った決勝点には満足そうで、「決めるべき場面で決められないのが課題ですが、よくアディショナル(タイム)に取ってくれた」とイレブンを褒めた。 昨季のレギュラーが6人健在とあり、連係面では水準が高く、昨夏の悔しさを共有する強みもある。決勝点を挙げた尼田は「うちのペースで進んだ試合でも、スキを突かれて失点して負けたことが何度かあります。でも今日は最後まで集中していたし、あれは気持ちで取ったゴールです」と喜びをかみ締めた。 攻守のバランスを取る主将の大竹も「なかなか点が取れずにジリジリしましたが、相手の速攻などに注意しながら辛抱強く守っていました。次も最後まで集中して戦い、1次予選を突破したい」と意気込んだ。 就任5年目の木村監督は、2年目に決勝トーナメント進出を果たしたが、3大会で1次予選敗退を喫している。「春日部は東部で力のあるチームなので、チャレンジャーとして思い切りやりたい。でも1次予選突破だけが目標ではない。決勝トーナメントではひとつでも多く勝ち、選手に自信を植え付けたい」とまずは代表決定戦、さらにその向こうにある決勝トーナメントに思いをはせた。 (文・写真=河野正)