到着から3週間、はやぶさ2の現状(全文1)今までにないサンプル得られる可能性
タッチダウンの方法について
先ほどタッチダウン、資料採取するときに岩があることが非常にリスクとしてはあるということを申し上げましたが、実はこの図を見ていただきますと、これはONCチームのほうで表面にある岩を画像からカウントして、そこにプラス印、緑の十字印を付けたものです。異なる経度、先ほど経度の原点を決めましたが、それで測ると経度60度が真ん中にくるほうが右、経度300度がくるところが左側と、そういうふうに表示されています。地球の言い方で言うと東経60度、それから左側が東経300度っていうのは、西経60度ということです。 こういうふうにたくさんあるので、こういうような中から岩が少ないところを探してタッチダウンをしていくっていうことも大事ですし、またこういった岩の分布は表面で物がどういうふうに移動しているかとか、そういったことをサイエンス的に明らかにすること、ひいてはこの天体がどうやってできたのか、どういう進化をしてきたのかっていうことを明らかにするために非常に重要になっております。 ではその次14ページ目をご覧ください。このあとTIRで、いろいろ説明を岡田さんのほうからしていただきますので、ここではLIDARという、レーザーを当ててその往復時間から距離を測るというレーザー距離計、それを使った観測のちょっと紹介をさせていただきます。左上の図にブルーとか赤とか書いてありますが、これは実は、ここにこのLIDAR、レーザーが当たって、そこまでの距離を精密に測ることに成功した点が打たれています。そうするとどのくらいの角度で表面にレーザーが当たったかっていうIncident angleも出すことができまして、それがカラーで示されています。 ちょうど真上からレーザーが当たったところは0度、青く示されていまして、斜めになったところは少し黄色い、赤っぽい色になっているので、当然赤道は真っすぐ当たるので青っぽい色になって、極に近づくとだんだん斜めになって、色が黄色から赤になっていると。また、赤道にはたくさんデータは取れていますが、極のほうはデータが今のところは少ないということで、こういったことを入れていくことによって、形状モデルにさらに強い制約を与えることができます。 このLIDARを基にして形状を復元したものが右の図になりまして、先ほどからお見せしている図とおおむね合っていると思います。なお、この図も先ほど言ったように、サイエンスのほうの定義での北が上、すなわち広報で普通に紹介されている図では、この下側と上下が逆さになってるということをご注意ください。