旧安倍派が「最大勢力」から屈辱の「党内第5位」に転落…!総選挙で惨敗した石破総理「本当の狙い」
立憲民主ではなく国民民主が選ばれた
ところで、今回の選挙結果を分析すると、実に意外な事実に辿り着くことになる。 朝日新聞が出口調査に基づいて報じた、今回の選挙での年代別の比例区の得票率によると、20代では自民党に投票した人が20%にとどまる一方で、国民民主党に投票した人は26%に達している。つまり20代が最も支持している政党は国民民主党なのだ。 この傾向は30代でも同様で、国民民主党に投票した人は自民党に投票した人と並ぶ21%で、やはりこの年代ではトップに立っている。40代になると、国民民主党は自民党と立憲民主党に抜かれて第3位となるが、それでも第3位なのであって、維新よりも多くの支持を受けている。10代においても、国民民主党への支持は、自民党に対する支持の26%に次ぐ第2位だ。 なんとなく弱小政党のイメージの強い国民民主党だが、若い層での支持では実は多数派になっている。 今回の比例代表の得票数を見ても、自民党が前回よりも533万票少ない1458万票に、公明党も前回よりも115万票少ない596万票にとどまる一方で、国民民主党は前回の259万票から358万票も増やした617万票となっている。得票数はざっと2.4倍に増えているのだ。これは自民に失望した層が国民民主に走ったということもあるが、万博に関わるゴタゴタなどで維新に幻滅した層が流れたというところもあるのだろう。実際、今回の国民民主党の得票数617万票は、維新の得票数の511万票を100万票以上上回っている。 この一方で、国民民主党の兄弟政党のように見られることのある立憲民主党の得票数は、前回の1149万票からわずか7万票しか増やしていない1156万票にとどまっている。 自民党が嫌だから立憲民主党を選んだという人よりも国民民主党を選んだという人の方がずっと多かったということが、ここから想像できる。
既存左翼政党もまた退潮
他に注目したい動きは、左派陣営においての大きな変化だ。 既存左翼の共産党が前回の417万票から今回336万票へと81万票も票を減らした。共産党は2割程度票を減らしたことになる。社民党も102万票から約1割減らした93万票に留まった。 既存左翼の勢いがなくなった受け皿として広がっているのが、れいわ新選組だ。れいわ新選組が前回222万票から381万票へと、今回159万票も増やした。 今回の動きからはわかりにくいと思うが、恐らくはこれまで立憲民主党を支持していた人たちの中にも、れいわ新選組に乗り換えた人たちがかなり出ていたのではないかと私は思う。 つまり、れいわ新選組が増やした159万票のうち、共産と社民から離れた分はれいわ新選組に移動し、さらに立憲民主党からも70万票から100万票程度流れたのではないかと思う。 立憲民主党は7万票増やしているではないかと思う人もいるだろうが、自民党から立憲民主党に流れた票が100万票程度あって、立憲民主党かられいわ新選組に流れた票93万票あったとすれば、立憲民主党の得票数は結果的に7万票増えることになる。こういう玉突き的な動きが生じていたのではないかと、私は考えている。 左派陣営の中で最も勢いがあるのが、れいわ新選組となっていて、もう共産党、社民党、立憲民主党(左派)の時代ではなくなってきているのだろう。