BMW 323iのフロアに着手するときが来た|『Octane』UKスタッフの愛車日記
『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。サンジャイが愛する1981年BMW 323iトップ・カブリオに、バッドニュースが…!? 【画像】錆だらけというバッドニュースを知っても、気持ちはポジティブに!(写真5点) ーーーーー E30ではなくE21のBMWを買うべきか。私は数カ月間にわたって悩んだ挙句、頭で考えるより気持ちを優先することにしたのだった。大好きだったクラシックなBMWのルックスを備えたE21を選んだのだ。そのクラシックさというのは、シャークノーズ、ツインヘッドライト、特徴的なグリル、そして6気筒エンジンのBMWらしい力強さだ! 323iは、1975年6月に発売が開始されたE21シリーズの最上位モデルだ。ボッシュ製Kジェトロニックの燃料噴射直列6気筒エンジンで強化され、5段ギアボックスとパワーステアリングも装備していた。E21にはMシリーズは存在しなかったが、アルピナが、私の323iと同じようにバウアー・トップ・カブリオレとしても利用可能な、素晴らしい外観の323i C1を製造した。それは私にとって、この車の究極バージョンだった。わずか35台しか製造されなかったアルピナC1は、アルピナの中でも最も希少なモデルのひとつとなり、右ハンドルバージョンはさらに珍しい。所有している人は、本当にラッキーだ。 BMWは、1978年にバウアー・トップ・カブリオレのバージョンを発表した。私の323iは1981年3月に製造されたもので、同年6月3日に登録されている。私は、最初のオーナーは都会に住むヤッピーだったのではないかと想像している。というのも、かなりの数のアイテムが追加されていたからだ。電話アンテナが取り付けられていたし、ナンバープレートも一風変わっていた。そのプレートには「VRO 600W」とあり、おそらく「VROOM」(ブルーンという音)、ドイツ人なら「VROOW」をもじったものに違いない。この車のエグゾーストノートはまさにその通りの音がする。オーナーは明らかに、この車とこのプレートで人目を惹きたかったのだろう。 現在の状況に話を戻すと、このバウアーは2024年に入ってすぐ、MoT(車検)不合格となった。左側のリアダンパーは、2021年に購入したペアのうちのひとつだが、車体下側の全体に渡って漏れがあり、フロントタイヤは両方ともがほぼ限界まで摩耗していた。それに、スカットルシェイクが大きくなっていることにも気づいていた。ついに、何が起きているのかを詳しく調べるべき時がやって来たようだ。 ラドフォード・レストレーションズ社(radfordrestorations.com)が、私の家からそう遠くないウィンザーに移転したことを知った私は、ディーン・シャープに会いにこの車で向かった。同社のルーツは、彼の祖父が1940年代に立ち上げたサルベージ&ワイアットという会社で、ディーンはその3代目にあたる。ラドフォード・レストレーションズ社は現在、レストアとヒストリックレース用の調整を専門としている。そしてもちろん、ラドフォード・ミニのカスタムもだ。私にはすでに長い“やるべきことリスト”があったのだが、特にディーンと彼のチームには、フロア部分をしっかり見てもらいたかった。2015年にボディワークをレストアしたときはフロアには手をつけなかったが、結局いつもフロア問題に帰り着く。 なので、ディーンからバッドニュースを聞かされたときも、本気で驚くことはなかった。前方フロアは交換する必要があり、インナーシル、アウターシル、さらにバウアーバージョン専用で使用されている強化フロアパネルも、交換する必要があると言う。しかも、ジャッキアップポイントも修理が必要だった。これらの作業は、やってもらうしかなかった。 すぐに写真が送られてきたが、どうにもきれいな様子ではなかった。ウィングの内側と、シルのすぐ上の足置き部分に、さらに多くのサビが見つかってしまった。しかし、こういったことは、知ることができて良かったと思う。なぜなら私はこの車の現在の一時的な管理人に過ぎず、今回の修理によって車の寿命は、私の寿命よりもずっと永く延びるであろうからだ。 文:Sanjay Seetanah
Octane Japan 編集部