「50代白髪調査隊がゆく! 白髪の悩みQ&A」ヘアカラー後気になる褪色、ダメージ、チラ見え白髪… 次に染めるまで、美髪をキープするためのシャンプー選び、中継ぎヘアカラーテクをご紹介!
花王 島津:確かに、髪を染めたあとの髪は、髪の内部の成分が流失しやすい状態です。というのも髪を染める際は、ヘアカラー剤の力でキューティクルを膨潤させて開き、その隙間から染料を入れます。開いたキューティクルがそのままになっていると、髪を洗う際、そこから染料が流失して褪色の原因になります。また、髪の脂質やタンパク質も流失し、パサつきなどにつながります。 そこで、こうした褪色やダメージを防ぐために、ヘアカラー後は、トリートメントをしっかり行ってキューティクルを整えますが、その効果は洗髪などでだんだん薄れてしまいます。そこで、普段のヘアケアでカバーすることが大切です。 セトッチ:きれいな色や状態を保つには、ヘアカラー直後だけでなく、日々の洗髪時にもしっかりケアしないといけないということですね。 花王 島津:カラーシャンプーやカラーコンディショナーと呼ばれるものは、洗髪のたびに少しずつ色を補ってくれるので、こうしたものも有効かと思います。
こちらは、花王「ブローネ カラートリートメント」。パールプロテインエキスなど3種の美容成分を配合。美容室で染めた髪色にも合わせて選べるカラー展開で、〝白髪染めはサロン派〟からも高い評価を得ている。
シャンプーの界面活性剤。アミノ酸系はOKで、サルフェート系はNG?
セトッチ:ヘアカラー後はキューティクルがダメージを受けているので、刺激の少ないシャンプーがよいと聞きます。「界面活性剤不使用」をうたったシャンプーは髪を傷めないというイメージなのですが、こうしたものを使用したほうがよいでしょうか? 花王 島津:ヘアケアに関する情報はネットなどにあふれていますから、イメージが先行してしまいがちですが、「界面活性剤」が危険なものというわけではありません。界面活性剤はシャンプーにおいて、とても重要な働きをする成分。界面活性剤が入っているからこそ、水だけでは落ちにくい汗や皮脂、汚れ、スタイリング剤なども、きれいに落とすことができます。 そして、界面活性剤にもさまざまな種類があります。中には洗浄力が高く、皮脂を必要以上に取り除いてしまって乾燥の原因になるとか、肌への刺激が強いものもあります。 セトッチ:「アミノ酸系の界面活性剤」は髪に優しいというイメージですが、こうしたものを使用したシャンプーがよいのでしょうか。 花王 島津:アミノ酸系の界面活性剤は、適度な泡立ちでなめらかな洗い心地のものが多いです。でも、アミノ酸系だからといって、すべてが髪に優しいというわけではないのです。逆に、「サルフェート系」の界面活性剤は刺激が強いといわれますが、「サルフェート系」の界面活性剤の刺激が強い、というわけでもないです。 セトッチ:「サルフェート系」という単語は、「アミノ酸系」と並んでよく耳にします。また、「サルフェートフリー」という言葉もよく聞きます。「サルフェートフリー」はナチュラルで髪にダメージがないというイメージで、「サルフェート」は髪によくない成分というイメージが私にはあるのですが、そもそも、サルフェートって、なんのことかはよくわからないのですが、有害物質なのでしょうか? 花王 島津:「サルフェート」とは「硫酸(りゅうさん)系化合物」(硫酸塩)のことです。 セトッチ:硫酸!? 字面だけで、なんだか怖いです…。 花王 島津:いえいえ、硫酸とは別物です。硫酸と聞くと「理科の実験などで使用する、取扱注意の怖い化学薬品。皮膚についたらヤケドをしてしまう」というものをイメージしますよね。でも、「硫酸系化合物」はそうではなく、決して有害物質というわけではありません。 セトッチ:そうですか。イメージにとらわれすぎですね。失礼しました! 花王 島津:ただ、サルフェート系の界面活性剤は泡立ちに優れており、すっきりした洗いあがりのものが多くなっております。メーカーでは、安全性が十分に確認されているものを使用しているので、安心してください。お好みの使用感に合わせて選んでいただくのがいいと思います。 セトッチ:ついイメージで、「これはよいもの」「これは悪いもの」と決めつけてしまいがちですが、そうではないんですね。気をつけなくては…。 今、お話を伺ったことによると、敏感肌や乾燥肌に悩んでいる人はそれぞれの髪質向けのシャンプーを使うのがよさそうですね。逆に、特にそうした悩みがなくて、ヘアオイルやムースをしっかり使ってスタイリングしているような方は、洗浄力の高いものでしっかり落としたほうがよさそうです。 花王 島津:そうですね。シャンプーにもいろいろな種類がありますので、自分の髪、頭皮の状態に合わせて選ぶことが大切です。また、望む仕上がりなどによっても、好む製品はそれぞれに異なると思います。
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