FP2でクラッシュのJOTA12号車、”最速ペース”でマシン修復進める「リビルド記録更新は間違いない」|ル・マン24時間
ル・マン24時間レースの出場に向けて、ポルシェ963の修復作業を進めているハーツ・チームJOTA12号車。チーム代表のサム・ヒグネットは、これまでマシンのリビルドにかかった最速記録は3週間だと明かし、今回はそれを大幅更新する見込みだと語った。 【リザルト】2024年ル・マン24時間:ハイパーポール予選 12号車は、水曜日に行なわれた予選で8番手となり、ハイパーポール進出を決めたものの、その直後に行なわれたナイトセッションのFP2でクラッシュしてしまった。 カラム・アイロットがドライブしていたマシンは、高速S字のエッセでコースオフ。イン側のバリアに接触し、比較的衝撃が軽かったにも関わらず、右フロントサスペンションのウィッシュボーンをマウントするために使われるシャシースタッドが折れてしまった。 このクラッシュはドライバーのミスによるものではあるが、高速走行中にコックピットのアラームが鳴ったため、ドライバーの集中力が削がれたという側面もあるとヒグネット代表は説明した。 ポルシェからスペアモノコックをJOTAが受け取ったのは、木曜日の午後。土曜昼の決勝スタートに間に合わせるべく、チームは急ピッチでマシンにリビルドを進めている。 「昨年このプロジェクトを始めて以来、ポルシェ963を組み立てる最速記録となることは間違いない。これまでの記録は3週間だ」 そうヒグネット代表はmotorsport.comに語った。 「複雑なレースカーだが、今回は金曜日の夕方までに作業を終わらせなければならない」 「それが我々の目標だ。みんな長い夜を過ごすことになるし、土曜日のレーススタートに向けてちゃんと睡眠をとってもらいたい」 12号車は土曜日の正午に行なわれるレース前のウォームアップに先立ち、リビルドされたマシンのシェイクダウンを実施する許可をスチュワードから与えられている。マシンは近くの飛行場に持ち込まれ、走行して問題がないかチェックされることになっている。 また12号車は、レギュレーションにより交換されるモノコック以外は、クラッシュしたマシンのパーツを使用することがレギュレーションで義務付けられている。 「事実上シャシーを交換するだけだ」とヒグネット代表は語った。 「ランニングギアとボディワークはすべて、我々のクルマから供給されなければならない。それがルールなんだ」 なおハイパーポールを走れなかった12号車が、8番グリッドから決勝をスタートできるのか、それともハイパーカークラス最後尾からのスタートとなるのかは、スチュワードが判断することになりそうだ。
Gary Watkins