Loco Islandでハワイへ/執筆:二名敦子
さて今回は 84年に発売された私のアルバム「Loco Island」にまつわる話を。 アルバムコンセプトは「聞いていたらハワイに行きたくなっちゃう!」 二名敦子さんの1ヶ月限定寄稿コラム『TOWN TALK』を読む。
制作作業はスタジオではなくハワイのロケハンから始まりました。 メンバーは4人。作詞家の三浦徳子さん、私、レコード会社のM氏、S氏。 地図を片手に ハワイの3島をレンタカーで走りまくり。 タイトなスケジュール なかなか厳しい旅でした。
一旦帰国後、佐藤博さん、高中正義さん、安部恭弘さん、 村田和人さん、櫻井哲夫さん、いろんな方に楽曲提供していただき、歌詞は徳子さんと私が担当。 楽曲の準備万端、もう1度ホノルルへ!
レコーディング前日、メンバーの一人Henry Kaponoさんと顔合わせすることになり 自分の曲のベースを弾きに来てくれた櫻井哲夫さんとディレクターのM氏、私の3人で待ち合わせ場所であるホテルのロビーに。ところが、M氏が突然、 「あ、用事があるから、俺ちょっと抜けるね~」 残された櫻井さんと私。インターネットもない時代、失礼ながらHenry Kaponoさんのお顔もよくわかりません。 広いホテルのロビー、行き交う人の数も多く、どないせいっちゅうねん。 途方に暮れた数十分後、「あ、あの人じゃない?」と櫻井さんが一人のロコを指す。 一人颯爽と歩く 吊り目型のミラーサングラスに 背中まで伸ばした癖っ毛の黒髪、長身、一粒ダイアモンドのピアスがギラリと眩しい、褐色の男性。 「いや、違うんじゃない」 「でも、ほら」 櫻井さんの視線の先には 彼が抱えていた小ぶりのギターケース。 戸惑う私を尻目に人混みを縫って彼にサクッと声をかけた櫻井さん、 その男性はHenryさんその人だったのです。 顔もわからない同志の待ち合わせ。人も多い広い場所でよく会えたものだと思います。 ギターケースと櫻井さんのおかげ。適当な感じが80年代っぽいとも言えますね。