史上初! ブロンズチームが総合優勝。GTWCヨーロッパ第8戦はWRTのBMWがワン・ツー達成
9月22日、イタリアのモンツァでファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ(GTWCヨーロッパ)第8戦が行われ、ブロンズカップ・チームであるOQ・バイ・オマーン・レーシングの30号車BMW M4 GT3(アハマド・アル・ハーティ/サム・デ・ハーン/イェンス・クリングマン組)が、シリーズ史上初めてプロ以外のチームによる総合優勝を達成した。 【写真】全5戦で競うエンデュランス・カップの4戦目で、早々とタイトルを決めたウインワード・レーシングの57号車メルセデスAMG GT3エボ レース終盤に30号車BMWをドライブしたクリングマンは、ドリス・ファントール駆る32号車BMW M4 GT3(チームWRT)と、これを猛追するアレッサンドロ・ピエール・グイディの51号車フェラーリ296 GT3(AFコルセ・フランコルシャン・モーターズ)を抑え、イタリアの伝統的なトラックで勝利しチームWRTのワン・ツー・フィニッシュを導いた。 エンデュランス・カップの第4ラウンドとして行われた今大会はすべての競技者に3回のピットストップが義務付けられたが、これが今回の3時間レースに大きな影響を与えることとなった。WRTはオープニングラップに発生した多重クラッシュによって導入されたセーフティカー(SC)ランの間にとったオフシーケンス戦略によってワン・ツー・フィニッシュの基礎を築いた。30号車BMWと32号車BMWは必須となる3回のうちの最初のピットストップをオープニングラップで消化したのだ。 これによりWRTの2台はレース序盤の段階で大きく順位を下げたが、アクシデントが相次いだレースのなかでライバルチームのマシンが通常のピットストップを完了するとベルギーチームのBMWペアはポジションを回復していった。 各車の最後のピット作業が終わり順位がシャッフルされたあとクリングマンの30号車BMWは、スタートから優位にレースを進めてきた51号車フェラーリを抜いて実質トップに躍り出る。さらに、ペースに勝るイタリアのスーパーカーがトップに立ったドイツ車を猛追するなか、WRTのもう一台のBMWが最後のピット作業を終えて2台の前でコースに復帰した。 しかし、ファントール駆る32号車BMWはアウトラップで姉妹車に逆転を許し2番手に後退してしまう。ファイナルラップでは51号車フェラーリもこれに続き、ターン1でオーバーテイクを仕掛けるが、コース外からの追い抜きとなっためポジションを戻す必要があり万事休す。 最後は87周をラップした30号車BMWがトップチェッカーを受け、1.759秒の僅差で32号車BMWが2位フィニッシュ。トップから2.133秒差の3位に51号車フェラーリが続く結果となった。4位はトレゾア・アテンプト・レーシングの99号車アウディR8 LMS GT3エボII、5位にはバレンティーノ・ロッシを擁するチームWRTの46号車BMW M4 GT3が入っている。 総合9位でシルバーカップを制したウインワード・レーシングの57号車メルセデスAMG GT3エボ(コリン・カレサニ/ダーン・アロー/タナート・サティエンティラクル組)は、今季2度目の勝利を飾るとともに、エンデュランス・カップの最終ラウンドを残してタイトルを確定させた。ゴールドカップでは、総合22位でフィニッシュしたハウプト・レーシングチームの77号車メルセデスAMG GT3エボ(アルジュン・マイニ、ミシェル・ベレッタ、ユスフ・オウェガ)がクラス優勝を飾っている。 2024年エンデュランス・カップの次戦は、11月29~30日にサウジアラビアのジェッダ・コーニッシュ・サーキットで開催される予定。なお、GTWCヨーロッパの次回イベントは、10月11~13日にスペインで行われる第9戦となる。カタロニア・サーキットが舞台となる同ラウンドはスプリント・カップの最終戦だ。 [オートスポーツweb 2024年09月25日]