「無職期間の生活を支えてくれる制度」にはどんなものがある? 詳細を解説
仕事がつらくて、転職先を見つける前に退職を決める人も少なくないでしょう。しかし、退職後の生活を考えると、収入が途絶えてしまうことに不安を感じる人も多いはずです。 そこで今回は、転職先を決める前に退職した人たちの無職期間を支えるための制度について紹介します。退職後の生活に漠然とした不安を感じている人は、ぜひ参考にしてください。 ▼早めに転職が決まったら「受給できる手当」を確認しよう!
無職期間中にもらえる手当
無職の期間中にもらえる手当や給付金には、「基本手当」と「職業訓練受講手当」があります。ここでは、それぞれの手当について分かりやすく解説します。 ■基本手当(失業手当) 厚生労働省によると、基本手当(失業手当)とは「求職者の失業中の生活の安定を図りつつ、求職活動を容易にすることを目的とし、被保険者であった方が離職した場合において、働く意思と能力を有し、求職活動を行っているにもかかわらず、就職できない場合に支給されるもの」とされています。 働いている間に一定期間にわたって雇用保険料を納めていれば、失業して無収入の状態となったとしても、基本手当が受け取れるのです。 基本手当を受け取る条件は、「失業状態にあること」、そして「雇用保険に一定期間加入していること」です。なお、給付日数に関しては、離職理由によっても変動するため、どの程度基本手当を受け取れるかは事前に確認する必要があります。 ■職業訓練受講手当 職業訓練受講手当とは、再就職や転職、スキルアップを目指す人が求職者支援制度を利用する際に受けられる給付金のことです。離職して雇用保険を受給できない人や収入が一定額以下の在職者の人を対象に、月10万円の生活支援の給付金を支給しながら、無料の職業訓練を受講できます。
無職の人が手当をもらう際の注意点
無職の人が手当をもらう際に注意すべきポイントをまとめて紹介します。 ■もらえる期間が決まっている 無職の人がもらえる手当は、どの手当も受給できる期間が決まっています。そのため、手当が支給されるからといって気軽に退職しても問題ないだろうと考えるのは大変危険です。 どの手当も、一時的に生活をつなぐための手当であることを忘れてはなりません。社会復帰することを踏まえた上で手当を受給しましょう。 ■不正受給をしてはいけない 無職の人たちが各種手当を不正受給していることが判明した場合、手当の支給が停止されるだけでなく、それまで不正に受給した額の3倍の額を納付を命じられる可能性があります。 基本手当を受給している期間中は、職員による家庭訪問やインターネット上でパトロールが実施されており、不正受給している事実は知られてしまうといわれています。一度不正受給を行えば、二度と手当を受給できなくなることも考えられるでしょう。 不正受給をせず、一日でも早く社会復帰できるよう準備を進めてください。 ■手当をもらうとリセットされる 基本手当の受給条件の一つに、「受給する直近2年間において1年以上働いている」という条件があります。しかし、一度基本手当を受給すると、この就労期間はリセットされるため注意が必要だとされているのです。 基本手当は、次の就職先を見つけるまでの生活をつなぐ資金であり、失業して基本手当を連続して受給することはできないと覚えておきましょう。 ■計画的に転職活動を進める 手当を受給できる期間は決まっているので、計画的に転職活動を進めることが大切です。ハローワークや就職支援センターなどの就職支援窓口に相談をしたり、求人サイトに登録したりして、興味のある仕事を探してみてください。 また、新しいスキルを身に付けたいと考えている人は、職業訓練を受講して、次の仕事を見つけるのもよいでしょう。
次の就職先を見つけるまでの間に手当や給付金を受給しましょう
無職期間中に受給できる手当や給付金について紹介しました。転職先を決める前に退職した場合は、手当や給付金を受給しながら次の就職先を探せる可能性があります。 ただし、今回紹介した手当を受給するためには、まず自分が受給対象であるかどうか確認が必要です。お住まいの自治体やハローワークの窓口に相談してみてください。また、受給期間や条件も決まっているため、注意しましょう。 出典 厚生労働省 基本手当について 厚生労働省 求職者支援制度のご案内 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部