子どもに病気が発覚したら親がやるべき5つのこと。「ひとりで抱え込みすぎないで」
環境はできるだけ整えてあげる
小学校から大学まで、特殊学級や特別支援学校への進学を勧められることもあったという酒井さん。それでも、「周囲の友達と同じ学校に行きたい!」という強い想いから、すべての学校は一般の子が通う学校へ進学したそうです。ただ、その背景には、親御さんの強い支援があったとか。 「僕のような病気があると、授業中にもつい声が出てしまうし、テストもみんなとは別に1人で別室で受けるなどの措置が必要になってしまいます。だから、進学が決まった学校に対しては、『この子にはこういう病気があるのですが、普通の子と同じように教育を受けてほしいと思います。できるだけこういう配慮をお願いします』と、毎回両親が丁寧に説明してくれていました。こんな病気なので、毎回環境が変わるたびにストレスが溜まってしまうのですが、両親が学校に先回りして相談してくれていたおかげで、進学や進級時にストレスを感じることはほとんどなかったです」
ダメなものは「ダメ」と言う
酒井さんは「病気や障害があっても、『ダメなものはダメだ』ときちんと伝えることも大事」だと続けます。果たしてその真意とは。 「病気や障害があると、つい子どもを甘やかしてしまうという親御さんもいると思います。でも、子どもは、甘やかされるとついそれを利用したくなってしまうもの。自分自身もそうだったからよくわかります(笑)。甘やかされると、次第に『障害があるからできなくても仕方ない』『病気があるから無理だ』と諦め癖がついてしまうようになる。それだと、子ども自身が大人になったときによい結果になりません」 子どもに対して「これはダメだよ」と伝えるときは、病気や障害について触れてあげることが重要なのだとか。 「『この病気があって辛いかもしれないけれど、これは将来のためにやっておかなければならないことだよ』と、具体的な未来のビジョンを持たせることが大切です。そうすることで、子どもは自分の病気を理解しつつも、前向きに物事に取り組むことができると思います」