「行政の手続きはハンコがなくても」 愛知・大村知事が会見
愛知県の大村秀章知事は5日、県庁で定例記者会見に臨んだ。政府が進める「脱ハンコ」化について「行政の手続きは押印、ハンコがなくてもやれる。例外も認める必要はない」と述べ、愛知県としても積極的に推進していく意向を示した。 愛知県・大村知事が定例会見(2020年10月5日)
全体状況把握「スピードアップを指示」
大村知事は、安倍政権時の8月ごろに内閣府から押印の簡素化についての通知が来たと明かした。その上で、菅政権になって河野太郎行政改革相を旗振り役に動きが加速しており、愛知県もどの程度簡素化が図れるかを「『スピードアップして把握するべきだ』と各部局に指示した」と述べた。 全体を把握でき次第、県の許認可手続きなどを中心に脱ハンコ化を進めていくという。「民間の契約や取り引き、昔からの商慣行については簡単ではないだろうが、それ以外の行政の書類手続きでは困ることはない」と断言した。
学術会議問題は政府の「説明責任問われる」
菅首相が日本学術会議の新会員6人の任命を拒否した問題については「学術会議は政策提言もするのだから、いろんな観点から政策提言をしてもらえればいい。これまでの運用と違うやり方をするのであれば、丁寧に説明する必要があるのではないか」と指摘。どのような理由で105人のうち6人を除外したのか、菅政権側の説明責任が問われると述べた。 会見では他に、9月25日から出されていた交通死亡事故多発警報が、交通事故死者数の減少にともなって10月4日で解除されたこと、新型コロナウイルスについては患者数や入院者数が減少傾向であることが報告された。 また、10年前に名古屋市で開かれた国連の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)以降、県内で行われた生物多様性保全に関する優良事例をまとめた「あいち・なごや生物多様性ベストプラクティス」も発表された。 (関口威人/nameken)