「新・名古屋テレビ塔」が完成 周辺公園も再整備し、18日オープン
名古屋市中心部のシンボル、名古屋テレビ塔が1年半余りの耐震改修工事などを終え、16日夜に点灯式があった。「新・名古屋テレビ塔」として周辺の公園も一体的に再整備され、18日に正式オープンする。
SEAMOさんらがテーマソング
点灯式には河村たかし市長をはじめ、来賓が出席。地元出身歌手のSEAMO(シーモ)さんは、テレビ塔のある栄地区ゆかりのアーティストらと制作したテーマソング「Glory」を紹介。「Gloryの意味の栄光は、栄に光と書く。コロナでアーティストや飲食店の人などは大変な状況にあるが、この歌がテレビ塔とともに光を照らして、皆さんに勇気を与えることになれば」と思い入れを語った。 カウントダウン後、テレビ塔のライトアップとともにテーマソングが流れ、新たに設置されたLEDディスプレーには関係者の歌い踊る姿や「栄に光を」の文字が浮かび上がった。
東京タワーの4年前に開業、コロナ禍で活用も
名古屋テレビ塔は1954(昭和29)年に開業。戦後復興やテレビ放送電波受信のために建設され、設計者の内藤多仲博士は後にさっぽろテレビ塔(1957年完成)や東京タワー(1958年完成)の設計も手掛けた。 2011年にはアナログ放送の終了でテレビ塔としての役割を終え、老朽化も進んでいたことから昨年1月に全面的な改修工事に入った。塔全体を照らすLED照明は1670万色の全面フルカラー機能が追加され、一足先に設置が完了。今回のコロナ禍では、緊急事態宣言や警戒レベルによって赤やオレンジに照らし出された。
展望台は天井と足元が鏡張り
1、2階にはカフェやレストラン、3階はグッズショップやレンタルスペース、4階から5階は新たにホテルが開業する。地上90メートルの展望台「スカイデッキ」は、天井と足元の壁が鏡張りになり、景色が万華鏡のように楽しめるという。 塔が立地する久屋大通公園も、南北約900メートルに渡るエリアを一体的に再整備。並木や芝生、水盤のある広場に、飲食や雑貨、アウトドアなど35店舗が点在する。民間店舗の収益を公園整備に生かす「Park-PFI」事業としては全国最大規模だという。 (関口威人/nameken)