J1の7.4再開決定裏に“JリーグPCR検査センター“独自設置の異例努力
Jリーグは29日にウェブ会議形式で開催した臨時実行委員会で、新型コロナウイルスの影響で2月下旬から中断させてきたJ1リーグを7月4日に再開することを決定。先だって6月27日には同じく中断しているJ2リーグが再開し、3月7日の開幕が先延ばしになっていたJ3リーグも始まる。 実行委員会終了後にオンラインでメディアブリーフィングに臨んだJリーグの村井満チェアマンは、公式戦を再開させるにあたって56クラブに所属するすべての選手およびコーチングスタッフ、レフェリーの合計約2340人に、唾液を検体とするPCR検査を実施。2週間に一度のペースで新型コロナウイルス感染の有無を調べていく方針に、めどが立ったことを明らかにした。 「Jリーグ内に『PCR検査センター』を新たに設置することで、検査の中心機能を用意させます。過去に感染していたかどうかを調べる抗体検査を介して、疫学的な統計データを取る場合はクラブ個々に任せますが、PCR検査に関しては費用の負担も含めてJリーグで主導していきます」 すでにリーグ戦を開催している韓国やドイツ、来月の再開を目指すスペインやイングランド、イタリアなどで全選手に実施されているPCR検査に対して、村井チェアマンは否定的な姿勢を見せ続けてきた。サッカー界が優先的に受けられる状況に対して、こんな言葉を残したこともあった。 「国民の健康を第一に考えることをすべてのプライオリティーの第1位に置いているので、国民のコンセンサスのない状況のなかで、私たちだけが検査体制を占有することは現実として考えていません」 風向きが大きく変わったのは1週間前の22日に開催された、日本野球機構(NPB)と共同で設立した新型コロナウイルス対策連絡会議だった。毎回招聘している感染症の専門家チームから、コンタクトプレーが不可避となるサッカーの競技特性上、事前検査が欠かせないと踏み込んだ提言を受けた。