鳥取県知事「現場は追い込まれている」 政府に制度・財政で理解求める
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が7日、開かれた。その後、分科会メンバーで唯一の都道府県知事である平井伸治鳥取県知事が記者会見し、「いま局面は変わった、と私たち現場は思っている。連日のように40都道府県くらいで新規の陽性者が出ている。これは3、4月ごろと比べて、数字的にも、また広がりと言う意味でも実は大きいのではないか。これが私たち現場を預かる者の感覚だ」と危機感を訴えた。 【会見ノーカット】コロナ分科会、感染状況の4段階「指標」など議論 尾身会長、西村大臣が会見
平井知事は「国と連携することが急務だろう」とする一方「われわれとしては申し上げたいことがある」と述べた。 そして、「休業要請や、自粛、患者の入院の協力を得るなどやらなきゃいけないことがあるが残念ながら実効性の確保が難しい。これは法的措置、制度的な補償がなければならない。休業補償が典型的だが財政的裏付けがないといけない。なければ、財政が豊かなところは対策ができても、そうでないところは感染症が拡大してしまう。こういう手段・制度の問題と財源・財政の問題と、是非政府にお考えいただきたい。現場がいま非常に追い込まれた状況であることに留意いただきたい」と訴えた。
戦うべきはウイルス・病気
平井知事はまた、感染者に向けられる社会の目を問題視。「私たちが戦わないといけないのはウイルス、病気であり、人間ではない。しかし、色々とメディアの報道もあり、恐怖心、不安感が国民に広がっている。心無い言葉がネットなどで躍る。これが社会復帰や平穏な暮らしにマイナスになっている」と強調した。 その上で、分科会として新たな柱として人権問題が盛り込まれたことについて「他の委員の賛同もあった。安堵(あんど)している」と語った。
7月末に感染の「大きな山」
平井知事は感染者の推移について「私が見るところで、7月の末ごろに1つの大きな山が地方部でも起きている。感染した日のベースで調べてみるエピカーブをみると長崎、佐賀、鳥取もそうだが目立った山がある。これは海の日の連休に人が動いたから。その証拠でもある」と分析。その上で「お盆の対策を含めたことを色々考えないといけない。是非政府と団結して色んな呼び掛けが必要」と述べた。