東京都「家庭内感染」広がる 60代患者の4割、70代の5割超
東京都は6日、新型コロナウイルス対策のモニタリング会議を開催した。その後の記者会見で、会議に参加している東京都医師会の猪口正孝副会長は「7月28日から8月3日の感染経路を調べると全世代合計で同居する人からの感染が26.0%と最も多かった」と語った。次いで多かったのが接待を伴う飲食店等(19.3%)、職場(17.9%)、会食(13.8%)だったという。 【会見ノーカット】東京都の小池知事が臨時会見 お盆の帰省自粛を呼びかけ
年代別にみると、感染経路が分かった新規陽性者のうち20代30代は接待を伴う飲食店等による感染が24.1%と最も多かった。一方、40代以上はいずれの年代でも同居者からの感染が最も多く、40代50代が33.5%、60代が40.5%、70代以上が51.0%だった。 猪口副会長はこれらの数字を紹介したうえで「分析を見ると、キーワードが限定的になってきている。『同居』、『職場』、『施設内』、『接待伴う飲食店』、『会食』が出てきている。職場、家庭同居、施設内はその中のアクティビティー(活動力)の高い方が外に出て感染して戻ってくるということで感染している」と指摘。 「少人数であっても人と人が密で接触する状態で会話しながら飲食すれば感染リスクが高まる。(これらの)環境を避けることが新規感染者の減少につながると考える」と述べた。
小池知事の3つのお願い
会見では、小池百合子知事が都民にこの夏の過ごし方について「3つのお願い」がある、と述べた。3つは以下の通り。 (1)高齢者は熱中症にも気を付けながらマスクの着用、手洗い、消毒、換気の徹底を。買い物など外出の際には混雑時間帯を避け「3つの密」を回避してもらいたい。高齢者と同居している家族は、家庭内でも長時間の会話の際は自宅の中でのマスク着用を。高齢者を守るという気持ちで必要な時に着用し、食事の時間は高齢者とずらすなどの工夫をしていただきたい。 (2)若年層は行動が活発であるのに加え、無症状、軽症が多い。本人が気付かないうちに高齢者に感染させる可能性がある。若い人でも重症化、後遺症が残るケースがあるとうかがっている。自分も感染しない、まわりにも感染させないという強い意志で慎重な行動をしていただきたい。 (3)年代を問わず、夜の街、会食による感染が多数発生している。長時間の飲食やお酒、大声で話す、至近距離での会話といったケースが感染事例として報告されている。夜間の繁華街への外出を控え、飲酒を伴う会食は夜10時までとしていただきたい。