阪神の元祖・二刀流助っ人、トレイ・ムーアが振り返る 「2003年の優勝」と「闘将・星野仙一」
アメリカから東京に到着後、まずはかつての同僚・川尻哲郎氏が営むバーで、ファンとともに阪神戦を観戦。あらためてファンの「熱さ」を感じるとともに、後輩たちの戦いぶりにエールを送った。 「スタンディング(順位)はアメリカでもチェックしているんだけど、どんな選手がいるのかまでは知らないからね。でも、見ている分には若いチームだという印象だね。誰がどんな選手なのかまではまだわからないけど、背番号8が目立っているんじゃないか。きっといい選手に違いないね」 最近、ディフェンス面で騒がせている佐藤輝明だが、ムーアはそのスター性をすぐに感じ取ったようだ。 【来日に合わせてヒゲを復刻】 一夜明け、いよいよ大阪入り。この日は、今回の来日のメインイベントである甲子園でのファーストピッチを行なうことになっていた。またメディア各社を巡るなか、ムーア氏がもっとも楽しみにしていたのが、かつての同僚である藪恵壹氏との対談だった。 のちにメジャーでもプレーすることになる藪氏は、当時からそのことを念頭に置いていたのか英会話が堪能だったようで、ムーア氏も「ヤブとはコミュニケーションが取りやすかったので、いろいろ世話になったよ」と語る。 抱擁を交わす両氏。顔を上げた藪氏が、夫人を見つけ会釈をすると、夫人も「Nice to meet you.(初めまして)」と返す。怪訝な顔をした藪氏が、「セカンドタイム?(2度目じゃないの?)」と確認すると、ムーア氏が「それは前の女房だよ」と返答。藪氏が慌てて口をふさぐという一幕もあった。 阪神時代はよく買い物にも行ったという両氏。腕時計が欲しいと言うムーア氏を、藪氏が某高級時計店に連れて行くと、ダイヤをあしらった時計を3本も購入したという。 「2つはプレゼントだったんだ。ひとつは父親、もうひとつは息子にね。その息子ももう31歳。彼も学生時代は野球をやっていたんだけど、ヒジと膝を故障してね。今は僕と一緒にコーチをしているよ」