キケンな組体操を強制する学校に喝!元学長のツッコミがぐうの音も出ない正論だった
また、最近の脳科学によると、人間の向学心や好奇心は、18~19歳ごろにピークを迎えるという研究結果が出ています。 中学生や高校生から、「どうして勉強する必要があるのか?」と質問されたとき、僕は、次の2つのことを話しています。 ● 「勉強する理由」 納得のいく2つの答え 【勉強をする理由】 (1)「選択肢」が増える。 「勉強をするのは、人生の選択肢を増やすため、好きなように生きるためです」。 「たとえばスキー場へ行ったとき、スキーを滑ることができれば、滑って楽しむことも、見て楽しむことも、どちらでも自分で選ぶことができますよね」。 「でも、スキーの滑り方を学んでいなければ、ただ見ていることしか選択できません。どちらがいいですか?自分で選べるほうが楽しいですよね」。 「勉強もこれと同じで、何かについて知っているほど、人生の選択肢は増えます。勉強はしんどいことですが、勉強した分だけ選択肢が増えて、いろいろな物事を自分で選べるようになります。選択肢が増えれば増えるほど、人生は楽しいと思うのです」。 「学んで知るから、人生の選択肢が増える。そして、たくさんの選択肢の中から選ぶことができるから、好きなように生きることができる。人生一度きりだったら、好きなように生きたいとは思いませんか?」。
(2)「生涯収入」が高くなる。 「18歳、19歳くらいまでにきちんと勉強をした人は、勉強しない人よりも生涯収入が高くなります。これは科学的にも証明されているファクトです。同じ仕事をするなら稼いだほうが、その分選択肢も増えて、得ですよね」。 「だとしたら、高校生までの間に、勉強する習慣をつけたほうが得。生涯収入が上がるか上がらないかは、君たち次第です」。 18歳、19歳の感受性の鋭いときに学習習慣や学習意欲を身につけて、「学ぶことは楽しい」「知ることはおもしろい」という感覚を覚えると、自転車の乗り方を一生忘れないのと同じで、社会人になっても「おもしろい」という記憶が残って、一生学び続けます。 そして、社会人になっても学び続ける人は、単純にいえば、上司からかわいがられるので出世しやすく、生涯給与も普通の人よりずっと高くなります。 高校生から大学生の初期のころまでに、「知らないことを学ぶのは楽しい」「わからないことが腹落ちすると気持ちがいい」という感覚を身につけると、その後の人生においても、好きなことができて、その上、経済的にも満たされるようになるのです。 楽しく豊かな人生をおくるには、幼児期から18歳、19歳までの学習習慣が決定的な役割を担っているのです。
出口治明