未就学児を育てる社員の半数が管理職。難病と闘う代表が導き出した働き方と「コミュニケーション」の大切さ
力を入れているのは「コミュニケーション」
ーー管理職に子育て当事者が多いので職場の理解もありそうですね。 そうですね。何かあると管理職が率先してスケジュールを組み直したり、「こっちは大丈夫だから!」と声をかけたりしています。当たり前のように配慮する価値観も根付いていますし、半日の有給制度なども積極的に活用してもらっています。 そして、この価値観を醸成するのに一役買っているのが、私たちが力を入れている「コミュニケーション」です。 ーーコミュニケーションですか……。少しフワッとした印象を受けます。 コミュニケーションを疎かにしてはいけません。関係性を構築しておけば、いざという時に誰かが助けてくれます。例えば、採用関係では「接点回数が多いほど内定承諾を取れる可能性が高まる」というデータがあります。ですから社内でもコミュニケーションを大切にし、社員の意欲をあげています。 ただ、こちらから意図的に仕掛けて化学反応を起こす必要があります。実践しているもので言えば、「あだ名文化」が代表例です。新入社員から代表の私まで、あだ名で呼び合っています。ビジネスマンとして対等ですし、ミスを指摘しなければならない時もワンクッションあるので相手を極力傷つけないように配慮できます。 社員の一番人気は「ランチインタビュー制度」ですね。初めて会話する従業員同士のランチ代を経費で補助しており、会話を後押しする環境を作って距離を縮めています。仕事や子育ての悩みを分かち合うこともできるかもしれません。 ほかには、部署で集まる食事会の費用の補助、中途入社の社員が任意でつけられる半年間の「メンター」制度、部活動も制度として公認しています。とにかく誰かに何かがあった時、「頼みやすい」「協力しやすい」雰囲気を作れるようにしています。 ーー確かに具体的な施策ですね。 もとはといえば、2021年12月から拡大期に入り、社員数が2倍以上になりました。組織が拡大すると企業は個別の最適化へと走ります。自部署の利益を最大化しようとすることで他部署と衝突が起きてしまうのです。 そのため、部署・役職を問わないコミュニケーションが重要だと考えました。先ほど挙げたコミュニケーション施策も「ななめの関係」を意識しており、他部署の上司や中途入社の社会人同期など直属の上司以外との関係を構築できるようにしています。多様な人材がいても循環しないと議論が活性化しません。 コミュニケーション方法も限定しておらず、相手の状況に合わせて対面やチャット、ウェブ、電話などを自由に選択できるようにしています。これは新入社員から代表に対しても同様です。