マスク氏が米つなぎ予算に反対表明、下院議長は苦境に-期限迫る
(ブルームバーグ): トランプ次期米政権で歳出削減を主導するイーロン・マスク氏が、共和党のマイク・ジョンソン下院議長が可決を目指すつなぎ予算案に反対を表明した。
下院と上院は3月までの政府予算を手当てするつなぎ予算案で合意した。だが、これには災害救援基金への約290億ドル(約4兆4700億円)の補充や300億ドル以上の農業関連支出、その他の災害関連支出として数十億ドルが含まれており、共和党内の財政保守派が反発している。
政府機関の閉鎖を回避するための期限は20日で、交渉の余地はほとんど残されていない。
マスク氏はソーシャルメディア、X(旧ツイッター)への投稿で「この法案を可決するべきではない」と述べた。これにより、交渉を主導するジョンソン議長は厳しい立場に追い込まれている。
ジョンソン氏は18日、FOXニュースでトランプ氏に歳出削減の助言を行う「政府効率化省(DOGE)」の責任者に起用されたマスク氏、およびビベック・ラマスワミ氏の2人と連絡を取っていると発言。共和党の下院議席数は民主党をやや上回る程度で、上院はなお民主党が支配しており、法案可決には民主党とも協力する必要があると説明したなどと述べた。
共和党は11月の選挙で、政権と上下両院を支配する「トリプルレッド」を実現したが、1月から始まる新議会でも、共和党が下院で握るリードはわずかだ。トランプ次期大統領の優先課題を早期に実現させる上で、ジョンソン氏の置かれた苦境は、新政権下での議会運営の厳しさを予感させる。
原題:Trump Key Adviser Musk Comes Out Against Year-End Funding Bill(抜粋)
--取材協力:アンスティー・クリストファー、Josh Wingrove.
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Billy House, Steven T. Dennis