神戸が執念イニエスタ投入でPK戦制しACL4強進出!
水原三星の選手たちが確実にPKを決めるなかで、神戸もFWドウグラス、DF初瀬亮、FW古橋亨梧、イニエスタが途中出場するまでゲームキャプテンを担ったMF山口蛍がしっかりと決める。 サドンデスに突入しても水原三星に先行されるも、6人目を担ったルーキー、DF山川哲史(筑波大卒)が決め返し、直後に大きな雄叫びを無観客のアルジャノブスタジアムにとどろかせる。迎えた7人目。重圧に屈したのか。DFチャン・ホイクの一撃はゴールバーの上を大きく越えた。 そして、延長戦開始とともに投入された藤本が大仕事を成し遂げた。アマチュア選手としてキャリアをスタートさせたJFLの佐川印刷SCからJ3 の鹿児島ユナイテッド、そしてJ2からJ1へと昇格した大分トリニータで結果を残し続け、昨夏に神戸へと加入した31歳の苦労人が声を弾ませた。 「90分間に加えて延長戦とタフなゲームでしたけど、チームが一丸となって戦えた結果だと思う」 神戸を一丸にさせたのもイニエスタだったと三浦監督は言う。水原三星戦を翌日に控えた段階でもイニエスタの出場に関しては言葉を濁していたが、ピッチに立った延長後半8分以降もほとんどボールに関与しなかった点だけを見ても、けがの症状はかなり重たいことが伝わってきた。 「確かにプレーに関与する回数は、すごく少なかったと思います。ただ、アンドレスがピッチに出た瞬間からは、間違いなく水原三星が守勢に回った形が増えたと思っています」 本来のパフォーマンスにほど遠かったと三浦監督も認めながらも、いるだけで相手に脅威を与えたと指摘する。何よりも前半開始早々の7分に先制される苦しい立ち上がりのなかでもイニエスタを欠いた選手たちが踏ん張り、同40分に同点に追いついた試合展開をポジティブに評価した。 「アンドレスがいないなかでも、他の選手たちは当然ながらキャプテンの存在を意識していた。アンドレスがベンチに控えているだけで、全員が自信をもってプレーできたと思っています」