なぜ阪神は異例のマイナスゲーム差で首位から3位に転落したのか…カープ3連敗で浮かびあがった3つの問題点
広島は侍ジャパンを故障で辞退したベテランの會澤が1軍復帰してマスクをかぶったが、カープの先発左腕の床田が「頼もしかった」と最敬礼する好リードで不振の阪神打線を手玉に取った。ことごとく狙い球の裏をかかれ、ボールゾーンを有効に使われた。 會澤は気配を消すため、サインを出したコース、球種にそぐわない位置に、しかもギリギリにミットを構えるなどの細かい工夫までしていた。 矢野監督の采配は迷走していると言わざるをえない。 “優勝するための4番”に指名したはずの大山を前日にスタメンから外したかと思えば、1日で戻し、今度は、快進撃のヒーロー佐藤を今季4度目となるベンチスタートにした。矢野監督の采配の特徴として、左右の投手との相性を理由にするものがあるが、おそらく今回も左右先発に合わせて、不調の2人を下げたのだろうが、その荒療治も効果は生まなかった。大山の得点圏打率は1割台にまで下がり、出塁率は.287しかなく、佐藤は25打席連続無安打である。これでは打線が線にはならない。打線変更は必須だが、その動かし方に問題が残る。 この非常時に打線の軸となるマルテがいないのも不可解だ。 「寝違え」などの情報などもあり、チーム内部のことはよくわからないが、五輪中断期間を利用して帰国を許し、再来日した後の調整法に問題はなかったのか。そもそも帰国時に来日後の復帰プランを明確にマルテに伝えてあったのか。矢野監督のマネジメント能力が問われる部分だろう。 また矢野監督は、機動力を使うことのできる島田、熊谷、植田の3人を控えメンバーとしてベンチに入れているが、僅差のゲームでは機動力も有効だが、爆発力にはならない。この今の状況でのメンバー構成として最適かどうかも疑問だ。 明日からは甲子園に戻っての中日3連戦。大野、柳、小笠原の表ローテーを巨人にぶつけた中日が裏ローテーに入るのが幸いだが、3日からは、巨人との3連戦を控えている。そこまでにチーム状態をどこまで元に戻すことができるのか。しばらくは、巨人、ヤクルト、阪神の3強が、日替わりで首位交代という構図になるのだろうが、ひとつ間違えばおいてけぼりを食らう。矢野阪神は正念場を迎えている。