【40代、50代の腰痛を元から治す⑧】腰痛を防ぐ重要なカギは「股関節を正しく使うこと」にあり
股関節から体を曲げる動きをマスターする
<グッドモーニング>
① 背すじを伸ばして立ち、足を腰幅に開く。両手は腰に当てる。
② 息を吐きながら、お尻を後ろに突き出すイメージで股関節から上体を倒す。このとき、あごは引き、頭からお尻までをできるだけ真っすぐにし、膝が曲がらないようにして、太ももの裏側が伸びているのを感じるところまで倒す。腰を曲げたり反らしたりしないように注意。この①②の動きを10回。
次に、生活の中で股関節を使うコツを教えていただいた。
<物を持ち上げるとき> 物を持ち上げるとき、膝を伸ばしたまま腰を丸めて持ち上げると、腰への負担が大きいのでNG。
背すじは伸ばして、お尻を後ろに引き、股関節と膝を曲げて、体の近くで持ち上げると腰に負担がかからない。
<顔を洗うとき> 洗面台で顔を洗うとき、膝を曲げず、背中や腰を丸めて前屈み姿勢になると、腰に負担をかけるのでNG。
背すじと腰を真っすぐにして、両足を開き、少しお尻を突き出すようにすると、膝が自然と曲がって、股関節から体を曲げられる。
上でご紹介したような股関節から曲げる動きを、ほかの場面でも取り入れることで、腰痛が起きにくくなっていくのでぜひ実践を!
【教えてくれたのは】 吉原 潔さん 脊椎外科専門医・スポーツドクター・フィットネストレーナー。医学博士。アレックス脊椎クリニック名誉院長。日本医科大学卒業後、同大学整形外科入局。帝京大学医学部附属溝口病院整形外科講師、三軒茶屋第一病院整形外科部長を経て、2017年よりアレックス脊椎クリニック院長。日本整形外科学会専門医、日整会内視鏡下手術・技術認定医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)公認パーソナルフィットネストレーナー、食生活アドバイザー。運動療法や筋力トレーニングにも精通した医師として、多角的な診療に定評がある。トレーナーとしての信条は「ケガをしないトレーニング方法を指導すること」。50歳を過ぎてから筋トレでメタボ体型を脱し、ベストボディコンテストに出場、受賞歴多数。著書に『ドクターズスクワット』(アスコム)など。 撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/佐々木 篤 モデル/SOGYON 取材・原文/和田美穂