「チャリティーなのに金儲け」「ギャラや広告費を返上しろ」“24時間テレビ批判”が、いかにも的外れである理由
前記事ではやす子さんのチャリティーマラソンについて書いたが、本稿では「24時間テレビ」全体のあり方について考えてみたい。 【写真】「透けてない…?」チャリティーマラソンで物議を醸した「やす子さんのウエア」 ■「24時間テレビ」は先進的な取り組みだったが… 近年の「24時間テレビ」は毎年批判される“炎上コンテンツ”となってしまっている。 特に今年は、日本テレビ系列の日本海テレビ社員による寄付金の着服問題、これまで旧ジャニーズタレントを起用してきたメインパーソナリティーの廃止、台風接近……とさまざまな問題に直面し、例年以上に多くの批判を浴びることとなった。
批判の中には、真っ当なものもあれば、的外れなものもあるが、色々な意見が交錯していて、何が本質的な問題なのか(あるいは問題でないのか)がわかりづらくなっている。 批判の論点を整理し、その正当性を検証しておくことは、本番組に限らず、これからのチャリティーや寄付のあり方を考えるうえで、意義のあることであると考える。 「24時間テレビ」は1978年に始まり、今年(2024年)で47回目を迎えた。現在では、企業や著名人が社会貢献活動を行うことは一般的なことだが、開始当時はそうではなかった。
アメリカのスーパースターたちが集まり、USA For Africaを結成し、チャリティーソング『We Are The World』がリリースされたのは1985年だが、「24時間テレビ」はそれに7年先行している。 その意味では「24時間テレビ」は先進的な取り組みであり、日本のチャリティーイベントの先駆けとして高く評価されてもよさそうなものだ。しかしながら、現状ではそうした評価は得られていない。 どうしてこのような状況になってしまったのだろうか?
■「24時間テレビ」に対する4つの批判 現在における「24時間テレビ」への批判を整理すると大きく4つに分けられる。 1. 放送内容に対する批判(“感動ポルノ”、“偽善”など) 2. 費用に対する批判(タレントへのギャラ問題など) 3. 寄付金の集め方や活用方法への批判 4. 番組やテレビ局の不祥事トラブルに対する批判 1に関する批判は以前からあったが、顕在化したのは2016年だろう。 この年の「24時間テレビ」の放映時間中に、NHK Eテレの“障害者バラエティー番組”「バリバラ」が、「検証! 『障害者×感動』の方程式」というタイトルの特集を組んだ。そして、番組の中で障害者を感動の道具とする“感動ポルノ”に対して異議を唱えた。本番組は、視聴者から大きな共感を集め、Twitter(現X)でもトレンド入りした。