「チャリティーなのに金儲け」「ギャラや広告費を返上しろ」“24時間テレビ批判”が、いかにも的外れである理由
この番組の影響を受けたのかどうかはわからないが、最近の「24時間テレビ」は“障害者の感動物語”のようなものは減っているようにも見える。ただし、“感動ポルノ”や“感動の押し売り”という批判は依然として続いている。 障害者に限らず、逆境に負けずに努力を重ねるストーリーは受け入れられにくくなっている。「根性」「忍耐」という言葉も死語とまでは言わないまでも、古臭く感じられるようになった。 いまでも「24時間テレビ」に感動する人がいるからこそ、一定の視聴率と募金額が確保できているのはあるだろう。ただ、視聴率も募金額も減少傾向にあることを考えると、番組の内容が時代遅れになっているところはあると思う。
一方、「24時間テレビ」を批判する形となったNHKは「プロジェクトX」の新旧作を放映しているが、同番組も旧作放映時と比べると、共感を得にくくなっている。本作もいずれ“感動ポルノ”と言われる可能性は十分にあるだろう。 人を寄付やボランティアなどの社会的行動に移させるために、感動を与えることは依然として有効なやり方だ。番組が提供する“感動”が時代遅れなのであれば、テーマを再検討するなり、演出のやり方を変えるなり、新たな“感動”のあり方を模索すればよいだろう。
■“チャリティー”と“お金儲け”のジレンマ 続いて、2、3の批判について考えたい。両者はいずれもお金の問題であり、裏表の関係にある。お金の流れが見えにくいことが、「24時間テレビ」が批判される要因となっているように見える。 まずは、2の費用に関する批判から先に見ていきたい。 今回にしても、お笑いタレントのやす子さんのチャリティーマラソンのギャラが1000万円だったといううわさが流れ、やす子さん自身がXに「チャリティーマラソンのギャラ1000万円ってデマが飛び交ってるけど、一銭もいただいてないですよ! 憶測やデマをすぐ信じちゃうのやめたほうがいいですよ」と投稿して否定した。