日本航空石川が1回戦突破 上野魁心主将「花園で1月1日を迎えたい」震災を乗り越えて聖地で躍動
第104回全国高校ラグビー1回戦(27日、日本航空石川73-8鹿児島実、花園Ⅰ)20大会連続20度目の出場となった日本航空石川が計11トライを奪う猛攻で鹿児島実に快勝。石川・白山市出身のCTB上野魁心主将(3年)は「石川で被災した人や、やりたいことができない人たちの分まで戦おうと言っていたので、そういう試合を表現できてよかった」と聖地での勝利に胸を張った。 【写真】高校ラグビー開幕 城東・小野晏瑚主将が選手宣誓「この世界に夢と希望を与えたい」 能登半島地震で石川・輪島市にある同校は甚大な被害を受け、グラウンドには亀裂が入った。チームで集まって練習することはできず、LINEグループで各自が行った練習を報告して切磋琢磨(せっさたくま)する日々が続いた。2月に岐阜の練習施設を借りて、1カ月ぶりに全体練習を再開。その後は拠点を埼玉、山梨に移して練習に励み、4月からは東京・青梅市にある明星大が使用しなくなった校舎を借りて、ラグビーだけでなく、授業などの学校生活を送っている。「大変だったが、チームの団結力は例年以上に上がった。その面でよかった」と上野。全員で苦難を乗り越えて、つかんだ花園での1勝だった。 2回戦の相手は5度の優勝を誇る国学院久我山(東京第2)。3週間前に行った練習試合では惜敗した強敵だ。「練習試合ではセットプレーから抜かれることが何度かあった。組織的なディフェンスをやっていきたい」と気を引き締めた。 さらに日本航空石川には大きな目標がある。「花園で1月1日を迎えたい」。3回戦が行われるのは能登半島地震から1年の来年1月1日。次戦に勝って、節目の日に花園から雄姿を届ける。