【行正り香さんにきく〝50代。これからの住まい〟に思うこと〟③】心地よい住まいへの鍵、それは絵を飾ること。一枚の絵で暮らしが変わり、暮らしが変わると人生が変わる
例えばこの写真をごらんあれ。 「この絵と絵の下に置いてある花瓶には同じ系統の赤が使われています。こうやってつながりのある色をしたオブジェを絵の下に置く、という飾り方も美術館で学んだことです。 複数の絵を飾るときも、美術館の飾り方を見て参考にすることがあります。
それぞれの美術館や展示会では絵の展示の仕方に工夫がされているので、ぜひおうちで絵を組み合わせて飾るときの参考にしてみてください。
コツとしてはいちばん大きな絵を最初に掛け、あとはバランスを見て残りの絵を掛けていくとやりやすいと思います」
◆もちろんリトグラフやポスター、写真などもOK。大事なのは壁に彩りをつけること
「ここまでは絵の話をしてきましたが、飾るのは必ずしも絵でなければいけないわけではありません。ポスターでも写真でもかまいません。要するに、壁に彩りをつけるということが大切なんです。 まずは、あなたが好きなものを何か一つ、壁に飾ってみてください。そこから住まいが、ひいては人生までもが大きく変わっていくかもしれませんよ」
【話してくれたのは】 行正り香さん 料理家、インテリアデザイナー。福岡県生まれ。高校3年生からカリフォルニアに留学。大学卒業後は広告代理店でCMプロデューサーとして活躍後、料理研究家となる。またデンマーク親善大使に選ばれるなど北欧インテリアに造詣が深く、インテリアコーディネーターやリフォームプランナーとして、多数の家づくりに携わる。料理レシピ本のほか、インテリア本、英語スピーキング教材など著書は50冊以上。2023年、東京国立博物館のアンバサダーに就任。館内のレストラン・カフェ「ゆりの木」の照明ディレクションのサポートを務める。最新刊は「人生を変えるリノベーション」(講談社)。 取材・原文/倉澤真由美 撮影/本多佳子