松坂桃李、初の日曜劇場主演作『御上先生』で“覚醒”? 若者たちとの熱い共闘で生む力
2025年1月期のTBS日曜劇場枠で放送されるドラマ『御上先生』にて、松坂桃李が主演を務める。 【写真】松坂桃李主演映画『雪の花』の新場面写真 彼がTBS日曜劇場に登場するのは、2018年の『この世界の片隅に』、そして2023年の『VIVANT』に続いてのこと。主役級のポジションで参加した作品が相次いで公開/放送される彼が、ここで満を持して日曜劇場で初主演を務めることになる。しかも演じるのは、官僚であり高校教師という異色の役どころ。すでに胸が熱くなっているのは私だけではないだろう。 この『御上先生』は、文部科学省のエリート官僚がとある高校3年生の担任になり、日本の教育現場を侵す腐敗した権力に立ち向かう、“大逆転教育再生ストーリー”なのだという。かなり大胆な設定の作品だ。骨太な物語が展開することでお馴染みの日曜劇場のドラマに相応しいものとなるのではないだろうか。簡単にあらすじを整理しておこう。 主人公の御上孝(松坂桃李)は、とあるできごとを機に「日本の教育を変えてやろう」と思い立ち、文科省の官僚になった。しかし、“考える力”を身につけるための教育改革は名ばかり。日本の中枢は改革どころか、自分たちの保身ばかりを考えている。理想と現実の間には大きな溝があるのだ。さらには教育現場までもが大人の権力争いの道具に成り下がっていることに彼は気づいていくことに。そんなところ、御上は“官僚派遣制度”によって私立高校への出向を命じられる。実質、これは左遷なのだろう。だが、御上は立ち上がる。次世代を担う高校生たちとともにーー。 左遷された官僚の物語というと、なんとも不憫な印象を受ける。だがこれは、そんな状況を逆手に取る男の物語だ。主人公の御上はまだ若手の部類に入るであろう人物だから、彼が日本の教育現場に絶望し、大きな力に立ち向かうべく成長していく姿も描かれるのだろう。かつて松坂は映画『孤狼の血』(2018年)で警察とヤクザの間で揉まれる新人刑事に扮し、その続編である『孤狼の血 LEVEL2』(2021年)では立派なタイトロープとして大成した姿を披露した過去がある。 作品の毛色が異なるとはいえ、あのような時間が1クールかけて描かれるのだろうか。いや、私の予想ではかなり早い段階で御上は覚醒するのではないかと思う。これは新米教師が生徒たちと切磋琢磨し合いながらともに学んでいく物語ではない。権力に侵された日本の教育をブッ壊すため、官僚であり教師でもある男が、未来ある若者たちを導いていく物語を描くものなのだ。となれば早々に御上は覚醒する必要がある。主人公・御上孝が覚醒することーーそれはつまり、俳優・松坂桃李が覚醒することだ。