入学式から2日後に大号泣…名門校でもがく日々、3年生ラストも「涙で終わった」
偉大な先輩を追って「筑波でもう一度自分を鍛え直したい」
高校最後の試合となった流通経済大柏戦。彼が見せたプレーとキャプテンシーは心打たれるものであった。身体を張った守備と相手の猛プレスの前にも毅然とした態度で周りにコーチングをしたり、鼓舞をしたりする姿はまさにリーダーだった。 終盤には最前線に上がってFWとしてプレーし、フェイスガードも外してまさに全身全霊で流通経済大柏のゴールに向かって行った。後半アディショナルタイムには相手ゴール前に飛んだボールに1人だけ猛ダッシュで向かって行き、190センチの長身で精一杯のジャンプをして頭に当てに行くが、届かなかった。 ゴールを守る執念からゴールを奪う執念。これぞ伝統の5番を背負う精神的支柱とも言える魂のプレーは観る者の心を揺さぶったに違いない。 「大津に来て本当に良かった。最初と終わりはとも悔しい思いでしたが、この経験が必ず今後の糧になると思います。改めてこれだけのメディアの人がいて、スタンドにはたくさんの人がいて、こういう舞台に立てることは幸せでした。だからこそ、勝ちたかったです」 涙は止まらなかったが、報道陣に一礼をしてからスタジアムを去る最後の最後まで彼は毅然としていて、真摯だった。 卒業後、五嶋は大学サッカーの名門・筑波大学に進学が決まっている。谷口や車屋紳太郎と同じ道を歩むことになる。 「筑波でもう一度自分を鍛え直したい。谷口先輩や車屋先輩のように自分としっかりと向き合って過ごして、プロとなって今日のような大舞台に帰ってきたいと思います」 信じた道を突き進んで、選手としても人間としてもさらに大きくなる。今日の試合後の立ち振る舞いはまさに彼なりの決意表明と受け取った。
FOOTBALL ZONE編集部