ロニー・クインタレッリ(No.23 MOTUL AUTECH Z)「淋しさというよりうれしさ。こんなすごい仲間とずっとやってきたんだと、うれしかった。」 | SUPER GT 2024 第5戦(最終戦) 鈴鹿サーキット【SUPER GTあの瞬間】
クインタレッリ:そうですね。(ひと足先にピットインしたトップNo.36 au TOM’S GR Supraを除き)そのときは3台が同時に走っていて、ホンダの2台(No.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16、No.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT)と、3号車(Niterra MOTUL Z)と僕の4台が同じタイミングでピットインしました。それで、1コーナーまでは自分の目で見えるんで、千代選手のアウトラップを(見ていた)。僕の引退が決まってから、彼は(12月1日に富士スピードウェイで行われた)ニスモフェスティバルのときからかな? もしかしたら、僕より淋しい気持ちがすごかったのかもしれない。『ロニーの最後(の走り)だな』みたいに……鈴鹿では、彼は弟みたいに、僕のためにすごくいい走りをしてくれていたんです。だから、『これからは千代選手に23号車を引っ張ってもらわないと』、という気持ちで、彼の走りを見えるところまで見ていました。まだヘルメットを被ったままだったけど(笑)。僕がずっと12年間走ってきた23号車(での走り)を、見守ってあげたいなと思って見てました。
── 鈴鹿のレースでは、“カッコいいロニー”として100点満点の終えることができたと思います。
クインタレッリ:そうですね。僕は、自分に厳しいときはとんでもなく厳しいんですけども、まず、日曜日の決勝に関しては、本当に“文句ナシ”でした。やれることは全部やって、最後のクルマに乗り込んで。最後の走りはほんとに僕らしい……当たり前のことを最後の最後にすることができて、ほんとに100点満点で最後の決勝戦を終えたと思います。
── 追い上げが実り、8位入賞で戦いが終わりました。グランドフィナーレでは、笑顔で壇上に上がりました。涙はありませんでしたね。
クインタレッリ:正直、涙は……ひとりでいるサーキットの外で……ホテルだったり、ひとりのときにいろいろ考えて、ちょっとそういう(涙する)瞬間もあったんです。話が鈴鹿戦の1週間前に戻るんですけども、実は、ニスモフェスティバルのときも、『最後の挨拶では、しゃべる前にすごくいろんな思い出が出てきて(泣いて)しゃべれないんじゃないかな』と思っていました。フィナーレのとき、みんなの前で挨拶があるなと緊張していたら、そのとき、僕の大切な(歴代の)チームメイトたち__(松田)次生さんと柳田さんと千代さんが出迎えてくれて、僕を待っていてくれたんです。僕、それを知らなくて。あの瞬間にものすごくパワーをもらいました。それで、どっちかというと淋しさというよりうれしさ……こんなすごい仲間とずっとやってきたんだなと思って。なんかうれしかったですね。まだ周りに仲間がいて、ファンもそうですが、その仲間たちが鈴鹿のグランドフィナーレのときにも『お疲れ様、お疲れ様』って、ひとりひとりドライバーが言ってくれたりとか。だからグランドフィナーレのときも(泣かないか)心配してたんですけども、うれしくて。みんな周りにいるから、泣けなかったですね(笑)。