ミニのスポーツ・モデルも電動化 クーパーのEVとエースマンにジョン・クーパー・ワークス(JCW)登場
JCW初のEVモデル
ミニが、2024年3月に日本でも発表された3ドア・ハッチバックの新型「クーパー」の電気自動車=バッテリーEV(BEV)モデルと、BEV専用として新たに加わった「エースマン」に、スポーツ・モデルの「ジョン・クーパー・ワークス」(JCW)を設定する。JCWとしては初めてのBEVモデルだ。 【写真63枚】ついに電動化が行われた、2台のミニのスポーツ・モデル、「ジョン・クーパー・ワークス・エレクトリック」と「ジョン・クーパー・ワークス・エースマン」の詳細画像をチェック ◆258psのモーターをフロントに搭載 3ドアの「ジョン・クーパー・ワークス・エレクトリック」と「ジョン・クーパー・エースマン」ともに最高出力は258ps、最大トルクは350Nmのモーターをフロントに、54.2kWhバッテリーを床下に搭載。最高速度はともに200km/h。0-100km/h加速は3ドアが5.9秒、エースマンが6.4秒と、クラストップレベルの動力性能を備える。 ◆「ゴーカート」モードでブーストアップ さらに、ステアリング・ホイールに装着されたブースト・パドルを押し込むと、「ゴーカート」と銘打ったモードが発動。20kWの電力が上乗せされ、オーバーテイクや急加速を助ける。航続距離はWLTP値で、3ドアが371km、エースマンが355kmだという。 サスペンションはJCW専用セッティングで、ハイグリップな高性能タイヤと相まって、ミニのゴーカート・フィーリングを最大化。チリレッドにホワイトのJCWロゴが入るキャリパーを持つブレーキ・システムも、強化された専用アイテムだ。 ◆JCW仕立てのスポーツ・ルック エクステリアでは、JCWのロゴが入る高輝度ブラックのグリルや、上下2本のデイタイム・ライトを強調したヘッドライトが、通常モデルと異なる顔立ちを演出。ルーフは、チリレッドか、赤と黒のグラデーションに塗られた専用カラーリングを設定する。 サイド・スカートや大型のリア・スポイラー、Cピラーのエアロ・ブレード、リア・ディフューザーといった新規パーツにより、空力性能の向上も図られた。ホイールも空力を考慮したデザインで、3ドアは18インチ、エースマンは19インチを標準装備する。 ◆赤と黒のレーシーなインテリア 内装も、JCWらしさを強調した専用の仕立てとなる。ダッシュボードは赤と黒のパターンが入ったニットで覆われ、黒い合成皮革とマルチカラーのファブリックを張ったフロント・シートには赤いステッチとアクセントラインが入る。240mm径の円形ディスプレイは、レーシーな表示パターンを用意する。 60年以上も昔、スポーツカー・デザイナーのジョン・クーパー氏が初代ミニをベースに生み出したミニ・クーパーは、1960年代にモンテカルロ・ラリーを3度制覇。その精神を受け継ぐ新型ミニJCWの内燃機関のプロトタイプが、今年のニュルブルクリンク24時間でクラス優勝を果たした。モータースポーツの世界でも活躍してきたクーパーの名を持つミニは、電動化で新たなフェイズに入ろうとしている。 文=関耕一郎 (ENGINE WEBオリジナル)
関耕一郎