ビジネスウオッチに新たな価値観をもたらした名機「オシアナス」誕生20周年の歩みを担当者とともに振り返る
初期のオシアナス。左からファーストモデルの『OCW-500』(2004年11月)、世界5局受信に対応したマルチバンド5仕様の『OCW-M700』(2006年10月)、アシンメトリー文字盤の第1弾『OCW-S1400』(2009年10月)、初の6モータードライブを実現した『OCW-S3000』(2013年10月) 小島さん:初期は大々的にはアピールしていなかったのですが、主に新作で進化したポイントにブルーを使っていたんですよ。マルチバンド化したOCW-M700ではガラス外周部の受信表示にブルーを配色し、アシンメトリーデザインを取り入れたOCW-S1400ではリングパーツにもブルーを使いました。このあたりで現在に通じるオシアナスのイメージは決定的になりましたね。
3部作で展開された20周年記念モデル
–OCW-S1400に採用された非対称のダイアルデザインは衝撃的でした。その後、スマートアクセスやGPSなどにも採用されましたよね。 小島さん:独自開発思想のカシオだからできたレイアウトだと思います。いまではG-SHOCKにも使われていますが、あれは元々オシアナスで生まれたレイアウトだったんですよ。そうした背景もあって2012年のスマートアクセス搭載OCW-S2400や、当時世界初のGPSハイブリッド電波ソーラーOCW-G1000にも同様のアシンメトリーデザインを使いましたし、最新の20周年記念モデルを含むOCW-T6000などへと継承しています。 白石さん:20周年記念モデルは“BLUE STORY”をテーマに2004年から紡いできたオシアナスの歴史を、航海になぞらえた3部作で表現しました。OCW-T6000BVは日差しが反射して輝く海、サファイアガラスのベゼルリングに20面のカットを入れたOCW-S7000BVは快晴の空を映す紺碧の大海原がそれぞれデザインモチーフとなっています。 小島さん:残るOCW-S6000BVは、24面カットのサファイアガラスベゼルにスパイラルカットの技術を応用した2種類のカットを施すことで波がぶつかり合うような造形とし、さらに青色から黒色へグラデーションする新開発の蒸着を基調に、スパッタリングと蒸着を複数回繰り返すことで荒れた海が感じられる意匠に仕上げています。