ビジネスウオッチに新たな価値観をもたらした名機「オシアナス」誕生20周年の歩みを担当者とともに振り返る
左から『OCW-S7000BV-2AJR』25万8500円/世界限定1200本、『OCW-S6000BV-1AJR』42万3500円/世界限定350本(公式サイトでは完売)、『OCW-T6000BV-2AJR』16万2800円/世界限定1000本 白石さん:文字盤も黒色を施したマザーオブパールを初採用しています。白蝶貝の模様を際立たせながら黒く美しい文字盤に仕上げるため、塗装や蒸着ではない独自技術で白蝶貝を黒色化するなどして『自然への畏敬を感じさせる荒れた大海原』を表現しました。 –まさに20年の歴史の集大成のような3部作ですね。そういえば、それらのモデルにも使われているサファイアガラスを使ったベゼルが出始めた頃は、かなりデザインのイメージが変わった印象を受けました。 白石さん:GPS搭載モデルのOCW-G1100で最初に採用したわけですが、これはオシアナスらしい海の表現に加えて宇宙的な要素も感じられる素材としてサファイアガラスが最適だったのです。そこに着色技術を加えることで、表現の幅が広がりました。
日本の伝統工芸と“エレガンス、テクノロジー”の融合
–精度追求という点ではGPSとBluetoothの3Wayに到達していて、サファイアガラスを使った先にオシアナスはどう進化するのかな、と思っていました。そうしたら今度は「江戸切子」が出てきたときも驚きました。 小島さん:常に新しいことに挑戦したいという思いがあるので、技術革新を進める一方、新しい表現手法の一つとして伝統工芸との融合も模索していたんです。色々な分野の方にアプローチして、お話をしていく中で江戸切子職人の堀口氏と意気投合。端的にお伝えすると、堀口氏は『職人の手作業といえども、1点ずつ個体差が生じてはいけない』という考え方を持っておられました。時計のサファイアガラスは硬いうえに小さい。これにカットを入れるということに加え、全品を均一に仕上げていくのは堀口氏にとっても大きなチャレンジだったと思います。引き受けてくださって本当にありがたかったですね。