縦折りスマホ「Galaxy Z Flip6」「motorola razr 50/50s」徹底比較 実機レビューで分かった“違い”
ディスプレイ連携はどちらもあと一歩
PCとの連携機能はGalaxy Z Flip6とmotorola razr 50/50sの両方が搭載している。一方で、スマホをPC風に使う機能はこの2機種ではrazrのみが備える。 Galaxy Z Flip6のPC連携機能は標準機能の「Windowsにリンク」を用いる。motorola razr 50/50sはLenovoグループが開発する「Smart Connect」が利用できる。 Smart Connectは一歩踏み込んだPC連携機能で、Windows画面上に仮想Androidの画面を複数立ち上げることができる。例えばスマートフォン本体で動画を見ながら、Windows PC上でLINEアプリを開いてメッセージに返信する、といったことができる。 テレビに接続して使えるモードを備えているのはrazrだけだ。Galaxyには「Samsung Dex」という類似の機能があるが、この機能はZ Flipシリーズには搭載されていない。razr 50/50sではSmart Connectでモニターに接続して、PCのようなウィンドウ形式で操作できる。ただし、razr 50/50sはDisplayPort Altモードに対応していないため、テレビとの接続はワイヤレス(ChromecastかMiracast経由)のみという落とし穴もある。
AI推しのGalaxy Z Flip6か、PC連携が多彩なrazr 50/50sか
Galaxy Z Flip6とmotorola razr 50/50sは、同じ折りたたみスマートフォンというくくりではあるが、性格が異なる2台だ。 Galaxy Z Flip6は、基礎体力の高さに加えて、AI機能やファッション性という要素をアピールする。また、Galaxy AIによる多彩なAI機能は、画像編集や言語翻訳など幅広い用途で活用できる。ただし、外部ディスプレイの機能は限定的で、主に通知確認やカメラのプレビューにとどまっている。 一方、motorola razr 50/50sは外側画面の実用性に重点を置いている。3.6型の外部ディスプレイは、ほぼ全てのアプリを開かずに操作できる点が大きな特徴だ。MediaTek Dimensity 7300Xプロセッサの採用により、Galaxy Z Flip6よりも手頃な価格設定を実現している。ただし、AI機能は比較的控えめで、高度な処理を必要とするタスクではGalaxyに劣る可能性がある。 選択の基準は使う人の優先事項で変わってくる。最高性能とAI機能を求めるならGalaxy Z Flip6だろう。実用的な外部ディスプレイと手頃な価格を重視するならmotorola razr 50/50sをおすすめしたい。ファッション性では両機種とも魅力的だが、Galaxy Z Flip6のカスタマイズ性の高さが光る。PCやモニターとのワイヤレス連携ではrazr 50/50sの対応力が上だ。デザインの好みや価格の差、販売キャリアなども含めて考慮するといいだろう。
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