20代くらいの明るい女性に「あのクルマ、カッコいいね。もしかしたら貴女のクルマ?」と声をかけたら
そして、憧れのアメリカに、ヨーロッパに旅立ったのは、たしか6月。かなりの早業で出発準備を整えたということだ。 フライトは東回りの世界一周。世界一周とは言っても、すでに自動車雑誌『ドライバー』の編集者の仕事も始めていたため、時間の制限があった。なので、LA、NY、パリ、ローマ、ロンドンに絞った。期間は2カ月。 「クルマ中心の旅の記事をできるだけ多く送る」という条件で、2カ月の旅を「海外取材」、つまり、仕事扱いにしてもらった。 さて、そろそろ本題の「モーテル」に話を移そう。上記のように、アメリカの映画やTVドラマに夢中だった僕だが、そんな中によく出てきたのがモーテル。 立派なホテルも多く出たが、僕が惹かれたのはモーテル。特に、街中のモーテルより、例えば砂漠の中を走るハイウェイ沿いにポツンと建つようなモーテルに惹かれた。 宿泊手続きは簡単。小さな受付で、身分証明書の提示もなしに、宿泊日数に応じた代金を払って鍵を受け取ればOK。
なので「犯罪者や不法移民の隠れ家」といったことも言われるが、幸い僕は、怖いことや危険なことに遭ったことは一度もない。 気を遣うこともないし、気取ることもまったく不要。ヅダ袋を背に、初めて海外の地に旅立った若造に、この気楽さはなんとも心地よかった。 安いモーテルでも、大方、寝具は清潔だったし、シャワーもTVもあったし、クルマは部屋の前に置ける、、大満足だった。 当時の宿泊費は忘れたが、現在は、庶民的なホテルは100~300ドルほど。対して、モーテルは50~150ドルほどだと思う。つまりホテルの半額で済むということだ。 モーテルの近くには、たいてい気楽なレストランがある。わかりやすいメニュー、安くてボリュームたっぷりで、ウェイトレスが明るくて、、。 そんなレストランにはジュークボックスがあり、独特の重低音の効いた音色を響かせる。好きな曲を選び、コインを入れ、曲が流れ始めると、「アメリカに来たんだなぁ!」と、、うれしさが込み上げてきた。 前にも書いたが、僕はデザートエリアの旅が好き。なので、LAに行くと、時間がとれさえすれば、カリフォルニアやアリゾナの砂漠を走り回った。