ホルンの音色で大集合 奈良の春日大社で「鹿寄せ」始まる
ホルンの音色で鹿を呼び寄せる「鹿寄せ」が、春日大社(奈良市)境内の「飛火野」で1日始まった。奈良の冬の風物詩として親しまれており、国内外から訪れた多くの観光客が集まってくる鹿を写真に収めた。8日を除く14日までの午前10時から。 広場の中央で、保護団体「奈良の鹿愛護会」の中川槙一郎さん(28)がベートーベンの交響曲「田園」の一節をホルンで演奏すると、多くの鹿が林の奥から勢いよく飛び出して集まり、ご褒美のどんぐりを口にした。千葉市から訪れた米田旬さん(65)は「十数年ぶりに見たが、とても迫力があってびっくりした」と笑顔を見せた。 愛護会によると、1892年に、鹿の収容施設の完成を祝う催しで、ラッパを吹いて鹿を集めたのが始まり。「田園」を演奏することが伝統で、愛護会職員は全員、ホルンを演奏できるという。【田辺泰裕】