性被害者に「ハニトラ」「断ればいいのに」の声が出て絶望…性的同意の意味
被害者が声を上げることができない現実
こういった多発する性暴力の問題に対し12月22日、沖縄でおよそ2500人が参加する大規模集会が開かれた。12月23日には大阪高裁前でも約300人が集まったフラワーデモが開催されるなど、全国各地で抗議の声が上がっている。 私も、12月23日に大阪高裁前で開催されたフラワーデモに参加した。花を手に、ひとり、またひとりと大阪高裁前に集まった。とても寒い日だったが、集まった人たちの静かな熱は、その寒さにも勝るものだった。 時間になると、スピーチが始まった。抱える思い、語られた言葉は様々だった。 「嫌だ」「やめて」「痛い」という動画が残っていてさえも、無罪判決が出たことへの不安。「NO」の意思表示を言葉やからだで示しても認められない……私たちに不同意を証明する手立ては残されているのだろうか、と疑問に思ってしまう。 大阪高裁前で行われたフラワーデモには、大阪地検・元検事正による性的暴行を刑事告訴した女性検事も参加され、大阪高裁に向かって、マイクを握り、彼女はこう訴えた。 「連日に渡り、不当な無罪判決が連発していることは、今なお、一部の司法関係者が、性犯罪の法律等を正しく理解せず、性犯罪被害者の心理等を適切に踏まえて、常識的な事実認定をしないという恐ろしい現実を意味します。 このままでは、性犯罪被害者を正しく守るための法律を形骸化し、性犯罪を撲滅しようという社会的な機運を逆行させ、理不尽な性被害により、苦しめられ傷つけられる被害者がもはや声を上げることができなくなり、犯罪を助長させることになります」 これほどまでに、私たちが今抱える不安を適切に表す言葉はないと感じた。 一方、SNS上では、性暴力に関する報道があるたび、「ハニトラ?」「断ればいいだけ」など、被害者をさらに追い詰める言葉が散見される。また、「同意同意って、結局よくわからない」「いつ訴えられるかわからなくて怖い」「同意って都合がいい言葉」といった声も上がる。 ここで改めて、考えてみたい。「同意」とは、一体なんなのか。