「今年も紅白に“旧ジャニーズ”は出ない」それが“テレビ崩壊”の始まりを意味するワケ
“芸事”を追究し始まった事務所が、大きくなることによって“芸能界”の一部としての側面も持つことになった。そうして肥大化したことが結果的に、この悲劇を生む一因となってしまったのかもしれない。 ■デジタルシフトは光明だった それでは、今後はどこに光を見出せばいいのだろうか。 テレビ局やCMクライアントが新会社の設立を促したというが、彼らは本当に組まなければならない相手なのだろうか。仕事相手として彼らと組まないと、“ジャニーズらしさ”は失われてしまうのだろうか。
少なくとも、今回の件ではからずも、CM、テレビといった外部に組む仕事相手を必要とする活動の脆弱性が見えたことは確かだといっていいだろう。これまでジャニーズタレントを起用することで利益を得ていた企業も、何かが起これば、一気に契約の解除や出演の取り止めという判断をすることが明らかになった。当然のことながら、他者が用意した土壌は、他者の判断や事情で使えなくなるのである。 その点で言えば、この数年、ネットへのシフトが進んでいたのは光明と言えるだろう。会員制ブログなどはもちろん自前だし、YouTubeなどのプラットフォームに載せるものも、事務所主導で制作され、中には『ジャにのちゃんねる』のようにアーティスト自身が企画・編集を行うものまであった。
また、既にファンになった人がより深く知るために課金する部分だけではなく、YouTubeやInstagramなどの無料コンテンツも拡充されてきた。これらは、これまで主にマスメディアに頼ってきていた、知ってもらう段階、認知の部分を担うものでもある。 そして、2023年の終わり頃から、新たに“自前で作る”萌芽が出始めている。これまで他と組んでやってきたことを、自分たちで作ろうとする動きが生まれているのである。
大晦日は紅白歌合戦のジャニーズ事務所からの出場が1979年以来、44年ぶりにゼロとなった。すると、早々にSnow ManがYouTubeで無料の配信ライブを行うことを発表。 開催はメンバー自らの発案で「僕たちを必要としていない人たちもいるのは当たり前のことで。それだったら曇ってる目ではなくて、僕たちを心の底から観たいと思ってくれてる皆さんのため※4」にステージを作ろうとしたと目黒蓮は明かしている。