「すべてが繊細」とSF初参戦のニック・デ・フリース。ブレーキの限界に困惑、ロックでQ1脱落
栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われている2024全日本スーパーフォーミュラ選手権の第5戦。今回、初参戦で注目を集めているニック・デ・フリース(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は、8月24日に行われた予選のQ1・Bグループで10番手となり、スーパーフォーミュラデビュー戦は18番手から決勝レースを迎えることになった。 今回のもてぎ大会と、10月にダブルヘッダー開催される富士大会への参戦が決まっているデ・フリース。事前にテストをする機会がなかったため、土曜朝のフリー走行1回目が初ドライブとなったが、いろいろな発見と驚きがあったという。初日を終えたデ・フリースに話を聞いた。 ■ダウンフォースは「F1で感じていたものに近い」 「僕にとってはスーパーフォーミュラのクルマはもちろん、このチームと仕事をするのも初めてで、コースも初めてだった。だから、朝のフリー走行はスーパーフォーミュラが持つ能力を経験する良い機会となった」とデ・フリース。 「このダウンフォースはこれまでに感じたことがない感覚というか、昨年(F1で)感じていたものに近いなと思った。ただ、リヤタイヤがスライドした時の挙動など、すべてにおいて繊細だと感じた。とくにブレーキは難しいなと感じていて、その限界値を見つけるのが難しいという印象もある」 午前のフリー走行はトップから約1秒落ちとなる16番手タイムで終えたデ・フリース。その時からブレーキング時のタイヤロックに悩まされていた。その影響がQ1でも出る形となり、タイムアタック時の1コーナーでタイヤがロックアップ。これによりセクター1でタイムロスがあり、思うようにタイムを伸ばせずに終わった。 「予選では1周しかアタックラップがないという状況のなか、正直いくつかミスがあった。ブレーキのパフォーマンスが予想しているものとは違っていた」とデ・フリース。 「フリープラクティスでもいろいろなところでロックアップしていた。ターン5、ターン9(V字コーナー)、あとターン11(90度コーナー)。(チームメイトの国本)雄資も僕もターン11でコースオフしていて、その辺をうまくまとめるのが僕たちにとってはチャレンジングなことだった。その中でも彼は予選で素晴らしい仕事をしたと思う」 「そこ(ブレーキング)がうまくいっていれば、もっと違う結果になっていたかもしれないが、いずれにしてもトップ10に入るパフォーマンスはなかったと思う。その中でもいろいろと学ぶことができた1日だった。ステップ・バイ・ステップでいま何をしないといけないのか、どこを改善しないといけないのか、チームとともに進めていきたい」と初のスーパーフォーミュラ予選日を振り返った。 決勝に向けては「天候がどうなるか分からないから、そこ次第になる。ドライでレースができれば、僕自身も学習できる機会になるからそれを望むけど、ウエットも同じように良い経験になるはずだ」と、前向きに語るデ・フリース。上位を目指すと同時に、今回は経験を積むことを重要視している姿が見受けられた。 ちなみに、予選日は気温35℃、路面温度46℃の暑さとなったほか、今週末は湿度の高さもドライバーやチームスタッフにとっては“天敵”となっている。 真夏の日本でレースをするのは初めてとなるデ・フリースだが「全然大丈夫だよ!」とのこと。「それこそフランスの南側とかはもっと暑いし湿度が高い時もあるから、僕はとくに問題に感じていない」と、暑さを気にしている雰囲気はほとんどなかった。 [オートスポーツweb 2024年08月25日]