「血圧は下げない」資産20億、投資歴70年の88歳トレーダーが“生涯現役”でいられる秘訣【和田秀樹対談まとめ】
投資歴70年目。資産20億円を築き、88歳の今も現役のデイトレーダーとして勝ち続ける藤本茂氏と、『80歳の壁』著者・和田秀樹氏の対談をまとめてお届け! ※2024年7月掲載記事を再編。 【写真】和田秀樹×藤本茂、対談の様子
1.「高血圧でも、薬で下げない」資産20億・88歳現役トレーダーはなぜ元気なのか
和田 今も休みなく相場に挑んでいらっしゃるそうですが、株式市場が始まる朝9時から午後3時まで座りっぱなしですか? 藤本 まあそうやね。市場が開いている時は3台のPCのモニターを見続けてますね。株価チャートや板は休みなく変動するから、休んでられない。値が動いた瞬間に「これは買いだ」「売りだ」と即決する。この繰り返しです。 和田 頭が冴えてる藤本さんだからできることです。 藤本 でもな、株式市場が閉まっている時間も重要やねん。私は準備のために午前2時には起きる。予習・復習が大事なんで。 和田 毎日ですか? 藤本 そう。目覚ましをかけなくても勝手に目が覚める。起きたらリビングに行きコーヒーを入れる。で、テレビをつけて「日経CNBC」を見る。経済情報を24時間流している専門チャンネルです。キャスターもコメンテーターも投資歴は私より短いわけやから、流し聞く程度やな(笑)。でも寝るまでずっとその番組はつけてますよ。 和田 藤本さんの投資歴はおそらく日本で一番長い?(笑)。 藤本 昭和、平成、令和をまたいでやってるからね。バブルもリーマンも乗り越えた。そらもう、年季が違いますよ(笑)。
2.「同じ薬を飲んで、元気になる人もいれば、調子が悪くなる人もいる」投資も身体も自分に合う型を見つけるべき
和田 「相場のことは相場に聞け」と藤本さんはおっしゃいます。「思うようにいかないこともある、それも人生」だと。名言ですね。 藤本 頭でどれだけ考えても、思い通りいくことなんてそうはありませんからね。でも、だから人生は面白いんちゃうかな。バブル崩壊で、私は10億円あった資産を2億円に減らしてしまった。せやけど、そもそもが貧農の出やねん。2億も残ったのだから御の字や。87歳になった今は資産が20億円まで増えました。毎月6億円の株を売買してるんやけど、勝ったり負けたりながら地道に増やしてきた。思い通りになんていかない。 和田 すばらしい教えですね。医者の悪い所って、人間が理屈通りに行くと思っている。そういう人が多い。「この薬飲んでたら病気にならない」とか「こんなことしてると病気になる」って言うけど、実際は理屈通りにいかないことのほうが多い。なのに、その理屈を押し通す。僕は何千人もの高齢患者さんを診てきたけど、同じやり方は通じません。各人の体の状態や生活、生き方に合わせるわけです。 藤本 型が違うからね。人間は一人一人違う。 和田 同じ薬を飲んで、元気になる人もいれば調子が悪くなる人もいる。効く人と効かない人がいる。人それぞれです。投資にも型があるんですね。