WECオースティン用の性能調整が発表。ハイパーカー全車に変更あり、トヨタとポルシェは重量増+出力減
8月30日から9月1日にかけて、アメリカ・テキサス州のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で2024年シーズン第6戦『ローンスター・ル・マン』が開催されるのに先立ち、WEC世界耐久選手権は8月23日付けで同ラウンドのハイパーカーBoP(バランス・オブ・パフォーマンス=性能調整)を発表した。 【写真】ランボルギーニSC63とトヨタGR010ハイブリッド この中では、前回大会の第5戦サンパウロでライバルメーカーのマシンを圧倒したトヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA GAZOO Racing)を含むすべてのハイパーカーに調整が加わっている。 車両重量の項目では、ポルシェ963とトヨタGR010ハイブリッドがそれぞれ2kgと5kgのプラス。この他のクルマはマイナス調整となり、最大値はプジョー9X8のマイナス14kgだ。 もっとも重いクルマとなったトヨタは最大出力も9kW(約12PS)削減されたが、250km/h以上でのパワーゲインは前戦比で1.8パーセント増加し、調整後の値は全体でもっとも高い4.6パーセントに設定された。 GR010ハイブリッドの次に重いフェラーリ499Pは、ポルシェと同じく3kW(約4.7PS)の出力抑制を受け取った。パワーゲインは0.1パーセントの増加。ポルシェ963も0.7パーセントのプラス調整となっている。 一方、BMW MハイブリッドV8、キャデラックVシリーズ.Rと並び全体で2番目に軽いクルマとなったプジョー9X8は、最大出力のマイナス1kW(約1.3PS)と合わせてパワーゲインも1.2パーセント減らされた。さらに大きな下げ幅となっているのがアルピーヌA424のマイナス1.9パーセントだ。このクルマのパワーゲインは調整後マイナス3.2パーセントに設定された。 第5戦比で9kgの車重減が認められ最軽量マシンとなったランボルギーニSC63は、出力がプラス1kW(約1.3PS)。さらにパワーゲインも1パーセントの増加が認められている。ランボルギーニと同じくイタリアのブランドである、イソッタ・フラスキーニが走らせていたティーポ6コンペティツィオーネは、先週同社が発表したWEC撤退の決定を受け、COTAのBoPブルテンから記載がなくなっている。 ■2024年WEC世界耐久選手権第6戦ローンスター・ル・マン ハイパーカークラスBoP(8月23日付) マシン/PF/最低重量/最高出力≦250km/h/パワーゲイン≧250km/h/最大エネルギー量/Fr.ERS作動域(Dry/WET) アルピーヌA424 /LMDh/1041kg(-3)/515kW(-1)/-3.2%(-1.9)/907MJ(-3)/―― BMW MハイブリッドV8/LMDh/1037kg(-7)/513kW(+1)/-0.9%(-0.9)/906MJ(-2)/―― キャデラックVシリーズ.R/LMDh/1037kg(-2)/518kW(-1)/-0.6%(+0.9)/907MJ(0)/―― フェラーリ499P/LMH/1055kg(-5)/500kW(-3)/1.9%(+0.1)/901MJ(-4)/190kph/190kph ランボルギーニSC63/LMDh/1030kg(-9)/520kW(+1)/0.0%(+1.0)/908MJ(-1)/―― プジョー9X8/LMH/1037kg(-14)/509kW(-1)/-1.2%(-1.2)/902MJ(-7)/190kph/190kph ポルシェ963/LMDh/1053kg(+2)/509kW(-3)/0.7%(+0.7)/907MJ(-1)/―― トヨタGR010ハイブリッド/LMH/1065kg(+5)/497kW(-9)/4.6%(+1.8)/906MJ(-6)/190kph/190kph ()内の数字は前戦比 [オートスポーツweb 2024年08月26日]