米利下げは限定的、賃金と住宅インフレで-アポロのクラインマン氏
(ブルームバーグ): 投資家は今後12カ月の間に米連邦準備制度理事会(FRB)が複数回の利下げを行うことに過剰な期待を寄せていると、アポロ・グローバル・マネジメントの共同社長スコット・クラインマン氏が述べた。
先物トレーダーは、米当局が今後1年間に10回の0.25ポイント利下げを実施すると見込んでいる。クラインマン氏は、不況がなければそのような利下げの可能性は低いが市場全体は景気後退を明確に織り込んではいないと指摘した。
アポロは米経済がリセッション(景気後退)を免れるだろうと予想。賃金インフレと住宅インフレのために利下げ幅は限定的になるだろうとみている。
「金利が大幅に低下する理由は、人々がそれを期待しているという以外には見当たらない」とクラインマン氏は17日にシドニーで行われた投資会議で述べた。「市場は右肩上がりに慣れきっており、市場はただ信じたいだけだ」と語った。
16日時点で、投資家は0.25ポイントと0.5ポイント利下げの確率をほぼ同等とみていた。米連邦公開市場委員会(FOMC)は2日間の会合後に18日に政策を発表する。
投資家は、景気拡大サイクルが14年以上続いているために資産価格の上昇を期待するようになっているが、通常の景気サイクルは6-8年だとクラインマン氏は指摘した。
アポロの見るところでは、不況ではないが年初に比べて米経済は成長が鈍化している。
「市場はかなり良い結果を期待し完璧を想定した価格設定をしているため、そうではない方向に事態が動く余地は大いにある」とクラインマン氏は語った。
原題:Apollo’s Kleinman Says Wage, Housing Inflation to Limit Fed Cuts(抜粋)
--取材協力:Garfield Reynolds.
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Harry Brumpton