”球界大御所”が22年ぶり開幕3カード連続負け越しの阪神に喝!「このままじゃ最下位に終わる」
「メジャーで使えないと烙印を押された選手に4番を任せ、チームを立て直そうとする安易な考え方が、そもそもおかしいのだ。去年、4番で育てようとした大山をなぜ今年は使わないのか。なぜ彼とポジションが重なるような外国人を取ってくるのか。いつまでも福留、糸井に頼っているようでは苦しい。広島は、鈴木誠也を4番として立派に育て、巨人は岡本、横浜DeNAも佐野を4番で使っているではないか。素質、云々よりも、育てるしかないのだ。阪神にも、近本や北條ら若手にいい選手が多いではないか」 大山は、昨年開幕から105試合まで4番を任された。14本塁打、76打点はチームトップでキャリアハイの成績である。 経験という土台を作った、その4番が今年は控えである。競争の上ふるいに落とされたのであれば、まだわかるが、計算のできない新外国人に押し出されたのである。そこを広岡氏は問題視している。 「阪神は広島のような生え抜きの育成方法を目標にしていると聞いていたが、今は、どこに向かっているのか、チームの方向性がまったく見えない。どう勝つかも含め意図が見えないのだ。繰り返すが、監督、コーチは、選手との緊張感を持ちながら、粘り強く指導すべきだ。投手力は揃っている。やるべきことをやれば、勝てるようになるが、このままじゃ最下位に終わる」 かつて故・中村勝広監督、和田豊監督時代には、キャンプで臨時コーチを務めたことがあり、阪神とも少なからず縁のある広岡氏は、悩める虎に過激なハッパをかけた。26日の横浜DeNAとの初戦では、相手が左腕の今永ということもあって、スタメンからボーアを外し、ラインナップに大山、陽川ら右の若手を並べた。広岡氏は、ああいう起用にこそ浮上の可能性があると見ている。 開幕3カード連続負け越しとなった22年前の阪神は、矢野監督が故・大豊泰昭と共に中日からトレード移籍してきたシーズンだった。しかし、同じく中日から獲得したアロンゾ・パウエル、大豊、新外国人のデーブ・ハンセン、新庄剛志、桧山進次郎らの主軸が機能せず最後まで打線低迷に苦しみ最下位に沈んだ。異例の3度目の監督に就いていた吉田氏は、この年限り、わずか2年で退陣している。明日30日からは、名古屋で阪神と同じく3勝6敗と波に乗れない中日との3連戦。浮上のきっかけをつかむことができるのだろうか。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)