スピード決着で東京五輪来年7月23日開幕正式決定も海外メディアは賛否「暑さが心配事」「再延期の可能性も」
新型コロナウイルスの世界規模での感染拡大を考慮して延期の決まっていた東京五輪が来年7月23日に開幕することが30日、正式に決まった。IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長と、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長、橋本聖子・五輪相、小池百合子・東京都知事らが電話会談を行って合意、その後、IOC理事会で承認された。 森会長と武藤敏郎事務総長は30日に都内で記者会見し、新たな日程を発表。五輪は来年7月23日に開会式、8月8日に閉会式を行い、パラリンピックは8月24日から9月5日までの日程となることを明らかにした。バッハ会長と安倍晋三首相が24日の電話会談で「おおむね1年を軸に」東京五輪の延期を合意。4月開催のサクラ五輪案なども検討されたが、わずか6日間でのスピード決着となった。 新型コロナウイルスの終息、まだ1万2000人を超える出場選手の43%の代表選手しか決定しておらず、多く残っている五輪予選のスケジュールや、選手の準備期間、会場の確保など、様々な準備、調整期間の必要性を考慮しての夏開催決定で、本来の開幕日だった7月24日から、ほぼ1年スライドのスケジュールとなった。 東京五輪の2021年7月23日開催決定を海外メディアも一斉に報じたが、夏開催に落ち着いたことに対しては賛否両論が噴出した。 批判的な論調だったのは、英国のガーディアン紙。 「夏の2021年大会は放映権料で他団体よりもIOCに多くの収益をもたらす米国テレビ局NBCの支持を受けた。この日程変更はNBA、フットボール、ゴルフのトップスター選手たちが(五輪で)競う時間も作られる。しかし、7月開催の日程は、五輪のマラソンが国の北にある札幌に移される原因になるなど、長い間の心配事だった日本の最も高温な季節に行われることを意味する。(4月開催の)サクラ五輪が検討されたのは、水泳、乗馬、トライアスロンを含め、いくつかの競技で、この暑さが懸念材料だったからだ」と酷暑の問題点を指摘した。 また同紙は、2021年に行われる予定だった世界陸上と世界水泳が2022年に1年延期となることを明らかにした上で、「しかし、東京2021年五輪の3つの土曜日は南アフリカで行われるラグビーユニオンのライオンズ(4年ごとにイングランド・スコットランド・ウェールズ・アイルランドの代表選手で結成される特別チーム)のテスト試合とぶつかることになる」と、調整のついていないラグビーの大型イベントがあることを紹介した。