来館者をきっかけにアートが生まれる八戸市美術館&立ち寄りスポット4選作家や歌人も通う八戸のブックバー
「AOMORI GOKAN アートフェス 2024」開催中
2024年9月1日までの期間、青森県の美術館5館が協働した「AOMORI GOKAN アートフェス 2024」が初開催中です。このイベント最大の特徴は、フェス全体を総括するアートディレクターを配置せず、地域に根ざした各館のキュレーターが企画・運営していること。 【画像】「AND BOOKS」には小説家や歌人、編集者なども訪れ、カウンターの壁にサインが残されている。 2024年度は、共通テーマである「つらなりのはらっぱ」を、それぞれが解釈し、展覧会やプロジェクト、パフォーマンスなどに落とし込んで展開します。 CREA WEBでは、「AOMORI GOKAN アートフェス 2024」の開催に合わせて、短期集中連載をスタート。5館の展覧会と、各館へ行ったら立ち寄りたいスポットを、青森県在住のライターがご紹介します。第4回は「八戸市美術館」です。
「八戸市美術館」のメイン企画は「エンジョイ!アートファーム!!」
「八戸市美術館」では、「AOMORI GOKAN アートフェス2024」のメイン企画として、「エンジョイ! アートファーム!!」を開催。 2021年11月に開館した同館のコンセプトは、「種を蒔き、人を育み、100年後の八戸を創造する美術館~出会いと学びのアートファーム~」。美術館での活動に主体的に関わる市民を、“アートでコミュニティを耕し育む”ことから「アートファーマー」と呼び、アーティストとの創作活動などに取り組む「アートファーマープロジェクト」を継続して開催しています。 エントランスを入ると迎えるのは、約18mの天井高を持つ「ジャイアントルーム」。 展覧会の鑑賞者でなくても自由に出入りできる懐の深さが特徴で、打ち合わせやリモートワーク、勉強、飲食などに使うこともできる“室内化された広場”のような空間です。 八戸市美術館は、アートフェスのテーマである「はらっぱ」を、ジャイアントルームに再現。アーティストはもちろん、訪れる人たちによってあらゆる活動が育まれていくジャイアントルームを、関わる人によって変化し続ける「はらっぱ」であり、活動の種が成長していく「ファーム」でもあると捉えました。 このジャイアントルームを舞台に、八戸を拠点に活動する5人のアーティストが、それぞれプロジェクトを展開。 ベトナムに長期滞在するなど、東南アジアと関わりが深い東方悠平は、ベトナムで見つけた野生のバナナを手がかりに、「自由」について語り合ったり、表現したりしながら、ジャイアントルームに現代版の「自由」をモチーフにした像を建設します。