「ゴミうんち展」が21_21 DESIGN SIGHTで9月から開催。目を背けられてきた存在から、世界の循環に向き合う実験場
21_21 DESIGN SIGHTディレクター・館長の佐藤 卓と21_21 DESIGN SIGHT企画展「water」「コメ展」に関わってきた竹村眞一が、展覧会ディレクターを務める
21_21 DESIGN SIGHTで、企画展「ゴミうんち展」が9月27日~2月16日まで開催される。展覧会ディレクターは、佐藤 卓と竹村眞一。 文化的にもどこか見たくないものとして扱われている、ゴミやうんち。完全に消えてしまうものなんてないにも関わらず、ゴミ捨て場や水洗トイレは、まるでブラックボックスのように私たちがゴミやうんちを忘れるための装置として機能してきた。人間社会では、その両者の存在が大きな社会問題となっている。 本展は「ゴミうんち」という新しい概念をきっかけに、世界の循環に向き合う実験の場。身の回りから宇宙までを見渡し、様々な「ゴミうんち」を扱い、「ゴミうんち」を含む世界の循環を「pooploop」と捉える。これまで目を背けてきた存在に向き合い、すぐ燃やすのでも水に流すのでもなく、じっくり観察し、単純化せずに新しい態度で向き合うと、様々な側面が見えて、語りきれないほどの不思議や好奇心に出会うことができる。 参加作家は、井原宏蕗、veig、岡崎智弘、小倉ヒラク、Alternative Machine、狩野佑真、北千住デザイン、Zach Lieberman、佐藤卓、清水彩香、STUDIO SWINE、高尾俊介、竹村眞一、TatsuyaM、角尾 舞、Dave Whyte、中山晃子、蓮沼執太、マイク・ケリー、松井利夫、山野英之、𠮷田勝信、吉本天地、ほか。 私たちの頭に擦り込まれてしまっている『ゴミ』のイメージを変えられないだろうか。早速、竹村眞一さんに相談すると、ゴミとうんちがくっついた。とても面白いと思った。ゴミを廃棄されるものではなく、これからの社会をつくる重要なマテリアルにして、うんちを循環する宝物に戻す。すでにこの動きはそこここで芽生え始めている。この展覧会で『循環』という概念を、創造的に数歩前へ進めたいと思う。(プレスリリースより、佐藤 卓コメント) この世界には本来、ゴミもうんちも存在しない。すべて貴重な資源として循環してゆく。ゴミやうんちが出るのは「デザインの失敗」である。わが国には、 ゴミやうんちを創造的に循環利用する社会OSがあった。この「江戸のエコ」も現代と似た環境危機からのV字回復だった。今度は同じことを地球規模でやるだけだ。その準備が出来つつあることを、この展覧会では示したい。あらゆるものが美しく循環する「地球のOS」を継承・更新し、人間を含むあらゆる存在が大らかに生きられる世界を再設計する旅へ、私たちはようやく出発するところだ。(プレスリリースより、竹村眞一コメント) 現代の「ゴミ」や「うんち」という概念は、なぜ生まれたのか。環境問題が世界中で深刻な問題であるいま、私たち一人ひとりが向き合いたい展覧会だ。
Art Beat News