「処分甘すぎ」の声でネット炎上…岩田康騎手が起こした”暴言幅寄せ事件”の開催4日間の騎乗停止処分は適切だったのか?
G1通算25勝を誇るJRAトップジョッキー、岩田康誠騎手(47、栗東・フリー)が24日、レース中以外の「粗暴な行為、発言」により25日から5月8日まで開催4日間の騎乗停止処分を受けた。この前代未聞の事件が波紋を呼んでいる。岩田康騎手が過去に問題を起こしていることもあり、ネット上でのファンだけでなく競馬関係者からも「処分が甘い」との声が飛び交っている。果たして今回の処分は適切だったのか。
後輩騎手に「おんどりゃ!」と暴言
まるで社会問題となっている“あおり運転“を思わせるような理不尽で高圧的なパワハラ事件だ。24日の阪神競馬場での6Rの3歳1勝クラス(1800m、ダート)。そのスタート前に出走馬が本馬場に入場し、返し馬といわれるウォーミングアップに入る段階だった。なんとスウィープザボードに騎乗していた岩田康騎手が、テイエムマジックに騎乗していた藤懸貴志騎手(28)をにらみつけ、馬ごと幅寄せしてラチ沿いに追い詰めて威嚇し、その上で暴言を吐いたという。 ベテラン騎手が若手騎手を”脅す“とは言語道断の行為である。 結局、このレースは藤懸騎手が2着、岩田康騎手が5着だったが、常軌を逸した岩田康騎手の言動を目撃していた複数の騎手が、放置できない事態だと問題視。検量室に戻るとただちに裁決委員に通報した。JRA側が岩田康騎手を聴取したところ、粗暴な行為と発言があったという事実を認めたため、日本中央競馬会競馬施行規程(第147条の第20号)の「競馬の公正確保について業務上の注意義務を負う者としてふさわしくない非行のあった者」を適用し騎乗停止処分を科した。 その悪質さ、品のなさから即日発効の騎乗停止が適用され、期間は翌25日から5月8日まで14日間(開催4日)とした。岩田康騎手は25日に阪神で6鞍に騎乗する予定だったため関係者はその調整に追われた。 一方の藤懸騎手にとっては災難でしかない。昨年の4月には新型コロナに感染したJRA職員の濃厚接触者に指定されて騎乗できない期間もあった。 この事件の伏線は、この日の2Rの3歳未勝利(1400m、芝)のレースにあった。ルーキーの角田大和騎手が騎乗していたエムティースマイルが4コーナーで急に外側へ斜行。その際、シュンイに騎乗していた藤懸騎手が被害を受け、立ち上がるシーンがあった。その直後にいた岩田康騎乗のコートゴシップも連動する形であおりを受けたためレース後は両者ともに被害者として裁決室に呼ばれた。その際、それぞれが状況を説明したが、すでに冷静さを欠いていた岩田康騎手は「おんどりゃ、あんぐらいのことで(馬から)立つな。耐えろや」と藤懸騎手に対して暴言を吐いたという。 角田は3月にデビューしたばかりのルーキー。本来は2人して、未熟な騎乗に対し、厳しくも優しいアドバイスを送るのが理想の姿だろう。藤懸騎手をどう喝するのは自分より格下に対してのパワハラ行為としか思えない。競馬関係者によると裁決委員はそんな岩田康騎手に対し「筋違いでしょうと言って諭し、本人も納得したようにみえた」というが、岩田康騎手の身勝手な怒りは収まっていなかった。そこから2時間半もたった6Rで再び藤懸騎手と同じレースに騎乗した際、とんでもない言動に及んだのである。