駿河台大”初切符”に拓大”落選”の箱根駅伝予選会…何が壮絶な争いの明暗を分けたのか…ペース配分と留学生の存在
専大は前回チームトップだった木村暁仁らがメンバーから外れたが、その穴を新戦力のダンカン・キサイサが埋めたかたちになった。キサイサは個人23位(1時間3分04秒)と伸び悩んだとはいえ、チーム11番目は1時間6分00秒。留学生を入学させなければ3分ほど総合タイムが落ちて、圏外に弾き出されていたかもしれない。 一方、専大と同じく、今季から留学生が入った大東大は非常に惜しかった。15km通過時は5位で、11位の専大とは59秒のアドバンテージがあったのだ。しかし、ピーター・ワンジルが後半に失速。10km通過時では8位付近を走っていたが、1時間6分16秒に終わり、チーム10位に入ることができなかった。ワンジルが予定通りに走っていれば、箱根復帰は濃厚だったはずだ。 今回、ケニア人留学生が個人順位で1~7位を占めている。個人トップを奪ったワンジク・チャールズ・カマウ(武蔵野学院大)のタイムは1時間1分23秒。あくまでも単純計算になるが、13位の筑波大(10時間48分14秒)、14位の上武大(10時間49分29秒)、15位の城西大(10時間49分32秒)に留学生がいれば、今回のボーダーライン内に入っていた可能性は高い。 数校の上位校を除けば、箱根予選会を突破するには留学生が欠かせない時代になってきた。今後もケニア人選手の参戦が増えていくのではないだろうか。 出雲駅伝は暑さのなかでの戦いになり、最終6区にイェゴン・ヴィンセントを配置した東京国際大が初優勝を飾った。箱根駅伝予選会は強風が選手たちを苦しめただけでなく、留学生の存在が明暗をわけた。 次なる舞台は11月7日の全日本大学駅伝。日本人選手の快走を期待せずにはいられない。 (文責・酒井政人/スポーツライター)