「片づけられない人」も、ものを手放しやすくなる思考。「推しに貸せるか?」で判断
家の中を片づけたいと思っても、ものがなかなか捨てられない…。そんなとき、片づけのプロが考えていることを紹介します。これまで数100軒の片づけをサポートし、片づけの力についての著書もある整理収納アドバイザー・Fujinao(フジナオ)さんは、「片づけ=セルフ推し活」と考えているそうです。詳しく語ります。 【写真】すっきりと片づいたFujinaoさんの家
「推し」に貸せないものは、自分も使わない
ものを捨てたらすっきりするのはわかっているけれど、いざ「捨てる!」となるともったいない気持ちが大きくなって捨てられない。片づけサポートの依頼をしていただいたお客さまから、よく聞く悩みのひとつです。 私たちは小さな頃から「ものを大切にしなさい」と育てられてきました。ですが、ものがあふれたこの時代、自分の暮らしを守るために「思いきって捨てる」という決断が必要な場面もありますよね。そんなときは「片づけ=セルフ推し活」と考えてみるのがおすすめです。 たとえば、あなたの「推し」が自分の家に遊びに来ると想像してみてください。あなたはきっと、推しが快適に過ごせるよう、心地よく整った空間を準備したいと考えると思います。 そして、そのときにもし「推しに見られたり貸すのが恥ずかしい」や「こんな状態のものをお貸しするなんて失礼だ」と感じるようなレベルの日用品があれば、捨てたり買い替えを検討したりするでしょう。 このように「相手にとってふさわしいものか」という判断基準は、片づけでも大切です。ものを捨てられない人は、「まだ使える」「いつか使うかも」という“もの中心”で考えてしまうことが多いのです。 もしも自分自身がその「推し」であるならば、今の自分にはどんな空間を用意してあげたいでしょうか。ものではなく、自分自身にふさわしいかどうかで考えてみましょう。 片づけは単に「ものを捨てる」という行為ではなく、「自分のためによりよい選択をする」という、マインドフルネスな行為と私は考えています。
「今の推し」にふさわしいものを選ぶのが正解
推しの成長や変化に合わせてファンの応援の仕方が変化していくように、自分を推すときにも「今の自分」が必要としているかどうかを基準とすることが大切です。 昔よく使っていたけれど今は使っていないもの、挑戦してみたけれど長続きしなかったものがあっても、すべては「推しの通過点」。ものの寿命に注目するのではなく、「今の自分自身(推し)はなにを必要としているのか」に注目しましょう。